中国、民間のロケット会社が初めて海上打ち上げに成功

2023/09/8 14:30

2023年9月5日17時34分、山東省海陽市付近の海域で、北京の民間ロケット会社「星河動力」(Galactic Energy)が、海上発射型の運搬ロケット「穀神星一号」打ち上げた。搭載された衛星「天啓星座」の21星~24星が高度800キロメートルの予定の軌道に送り込まれている。中国で、民間ロケット会社による海上打ち上げは初めてのことである。

「穀神星一号」は、これまで8回連続で陸地からの打ち上げに成功していた。海からの衛星打ち上げは新たな形であり、柔軟性があり適応性も高く、経済性も備えている。打ち上げ場所や落下場所を適当に選べる上、各種の軌道への打ち上げ負荷に応えられ、これまで問題視されていた安全性が効果的に改善している。しかし難易度は高く、世界的に見て実行可能なのは数か国のみである。

今回は、北京国電高科科技が開発した低軌道のデータ収集衛星で、「天啓星座」シリーズの一部である21星~24星が搭載された。このシリーズは2024年にすべてが揃い、38台の衛星と若干の地上ステーションによる「低軌道衛星IOT星座」となり、世界中をカバーしリアルタイムな低軌道衛星IOTデータサービスを実施するという、空と地上が一体となる仕組みが出来上がる。北京国電高科は2018年に初めて衛星を打ち上げた後、「天啓」シリーズの衛星計21台を軌道に乗せており、2024年6月には24時間フルタイムでの稼働を果たす予定である。

また「星河動力」は、2018年2月に設立され、博士課程修了者41人、修士課程修了者107人を含む数百人の主要開発スタッフを抱え、このうち90%が航空関連業界に8年以上従事している。

星河動力は2020年11月7日、「穀神星一号」の発射により、民間会社として世界で4社目、中国で2社目となるロケット打ち上げを果たしている。

(中国経済新聞)