上海地下鉄、女性専用車両の増設を検討

2023/05/25 12:45

陳情の受付を行う上海の行政機関では、地下鉄での女性専用車両の増設や鉄道の駅、飛行場での女性専用レーンの導入を求める手紙が市民から届いた。

手紙の中で、上海の地下鉄は人が多く混雑しており、特にラッシュ時には女性が男性と密着しなければならないこともあり、痴漢行為を避けるため女性専用車両を増設してほしいと訴えている。また、安全性を高めるために、女性専用車両を他の車両との間に設置することも提案している。

上海地下鉄を運営する上海申通地下鉄は、女性専用車両の増設により安全上の問題が増え、多数の旅行客に迷惑をかける可能性がある、と述べている。さらに、車両の混雑度にも偏りが出ることで、市民の需要に応えることができないのではないかと懸念されている。上海地下鉄は、女性の乗客に対して、地下鉄の利用時は、自分の身を守り、万が一不審者が近づいてきた場合、さっと遠ざかり距離を保つように勧めている。不法な加害行為に遭遇した場合は、カバンなどを使い防ぎ、すぐに近くの人に助けを求めるか、地下鉄の職員を呼び警察に通報してもらうように呼び掛けている。

2017年の時点で、深圳の地下鉄がいち早く「女性優先車両」を導入している。導入するに際して、乗客数と混雑率を分析しており、「女性優先車両」は決して「女性優先」を意味するものではない。実際に、男性が「女性優先車両」に乗ることもあり、任意に協力を求めるものであって、法律で強制されているわけではない。「女性優先車両」は女性を尊重する雰囲気を作り、公共交通機関における配慮の意識を高めることを目的としている。

(中国経済新聞)