習近平国家主席の要請を受けて4月5日から中国を公式訪問しているフランスのマクロン大統領は、訪問最終日の7日に広東省を訪れ、中国の民主化革命のパイオニアである孫中山が設立し100年の歴史を誇る中山大学を見学した。
フランスの歴代大統領で初めて広東省を訪れたマクロン大統領が、世界的な学術拠点を目指している同大学に足を運んだ理由は何だろうか。
1925年、広東省政府の暫定大総統だった孫中山が「リヨン中仏大学海外部を国立広東大学海外部とする」との命令書に署名したことで、中山大学とフランスが縁を結ぶことになった。
近代中国の時期にただ一つ海外に創設された高等教育機関であるリヨン中仏大学(1921年から1950年まで)は、政界と学術界が手を組んだ両国の教育提携の先例となった。
中山大学はこの提携事業で(前身の国立広東大学も含む)、リヨン中仏大学を国立広東大学の海外部とした上、国立広東大学が中仏大学準備委員会のメンバーとなり、さらにリヨン中仏大学の留学生のうち広東省出身者が3分の1以上に達するなど、大きな役割を演じた。
広東省とフランスは友好都市もあり、貿易、文化、教育でも緊密に交流している。
広東省とフランスは現在、省レベルでの友好関係のほか4組の友好都市が存在しており、このうち広州市とリヨン市は今年で提携35年に及ぶ。華南地域の最高峰である中山大学はフランスの大学と、マネジメント関連で9件、原子物理学で4件の計13件にわたる交換留学や単位互換を進めている。
中山大学はまた、フランスの言語や文化の研究の拠点でもあり、中国中南部および華南で一番早い1957年にフランス語学科を設立し、今はフランスのリヨン第3大学、パリ政治学院など大学8校と、本科から博士課程におよぶ交流や共同育成関係を築いている。
マクロン大統領の訪中の背後に、中国の大学とフランスとの100年にわたる緊密な交流が存在しているのである。
(中国経済新聞 編集部)