中国自動車、2022年は新勢力が続々と「販売10万台」達成 2023年はいかに

2023/01/4 11:26

中国では各自動車メーカーが12月の販売実績を発表し、2022年の新勢力のランク分けもほぼ確定した。大手3社の「小鵬(Xiaopeng)・蔚来(NIO)・理想(Li Auto)」は2021年と同順位で、哪吒(Neta)と零跑(Leap)が「注目株」となっている。

2022年は哪吒、理想、蔚来がトップ3に立ち、販売台数は順に15.2万台、13.3万台、12.2万台であった。去年の「チャンピオン」だった小鵬はおよそ12.1万台で4位に転落し、零跑は11.1万台で5位だったが伸び率は上位5社で最も高い154%であった。

蔚来、小鵬、理想はいずれも販売実績が去年を上回ったが、伸び幅は新エネ車の市場平均に及ばなかった。中国乗用車市場情報連席会(以下「乗連会」)によると、2022年の新エネ乗用車販売台数は前年比98%増の655万台とのことであるが、新勢力であるこれら3社の販売台数の前年比伸び率は順に34%、23%、47%であった。これに対し、従来メーカーが抱えている新エネ車ブランドは好調であり、広汽埃安(AION)は2022年の販売実績が前年比126%増の27.1万台、BYDは同152.5%増の186.85万台となっている。

2023年の新エネ乗用車卸売り販売台数について乗連会は先ごろ、前年より30%増えて840万台となるとの予想を発表したが、集度、長安深藍、奇瑞などの各メーカーが新エネ車への取り組みを強化しており、競争はさらに激化するものと見られる。中国乗用車産業連盟の張秀陽事務局長は、「2023年は国内で販売される新エネ車が100種類以上となり、競争が一段と激しくなって、新勢力の枠組みやランクは何度も衝撃や変動が生じる」と述べている。

また信達証券のレポートでは、2023 年は業界で不確定要素が増えると予想している。新エネ車補助金の廃止、ガソリン車への購入税優遇または減額、支援の度合いの低下、原材料価格の変動によるコスト管理への何らかの影響、さらには刺激策の終了やコロナの拡大による一部乗用車への短期的な需要の落ち込みも見られ、自動車購入の回復が弱まるとしている。

また業界内では、チップの不足や電池の高値といった状態が2023年も続くと見られており、EVメーカーはいずれも早期の黒字転換が必要となっている。

(中国経済新聞)