最近出版された「中国統計年鑑2022」では、省別の婚姻状況が掲載されており、そのうち離婚率は「北が高く、南が低い」という状況が明らかになった。
2021年、中国の平均離婚率は1000人あたり2.1人となり、全国平均を上回った省と下回った省が、それぞれ15省あり、雲南省の離婚率は全国平均とほぼ同じだった。
離婚率が全国平均を上回ったのは、新疆ウイグル自治区、黒龍江省、吉林省、北京市、内モンゴル自治区などで、そのほとんどが北部の省であった。一方で、全国平均を下回ったのは、湖南省、福建省、海南省、上海市、浙江省、広東省など、ほとんどが南部の省であった。
また、離婚率が最も高かった天津市は、北部に位置し、逆に離婚率が最も低かった広東省は、南部に位置する。
なぜ中国の離婚率は「北が高く、南が低い」のか?
その理由として、中国の南方人は、一般的に北方人よりも家族に対する意識が強く、北方人よりも先祖を敬い、家族文化を継承することに重きを置いていることが考えられる。中国南部では、村の中で最も豪華で目を引く古建築は祖霊廟であることが多く、そのほとんどが村の一族から集めた資金や寄付によって建てられている。例えば、広州の陳家祠(Chen Clan Temple)は、嶺南(リンナン)地方で最も文化的、芸術的に特徴のある博物館となっている。
一般的に、家族に対する意識が強い地域は離婚率が低く、家族に対する意識が希薄な地域では離婚率が高い。出生率は、家族に対する意識が強い地域ほど高く、家族に対する意識が希薄な地域ほど低いことがわかっている。
(中国経済新聞)