中国、超一流大学の卒業生が小中学校の教員目指す

2022/11/16 21:14

中国ではこのところ、教員免許試験の出願者が増えている。教育の研究機関である黒板洞察(EDU INSIGHT)によると、出願者数は2016年には260万人であったが、2021年に初めて1000万の大台を超えて1144.2万人に達し、このうち800万人が教育系以外の学部出身であった。

中国教育省の最新データによると、教員免許試験の出願者数は2012年から2022年の10年間で66倍に増えている。

教員免許は教師になるためのステップであり、教師の社会的地位や職業としての安定性が高まっているので、免許取得後はほとんどが学校での採用を目指すが、受験者数が増えているので採用への難易度も上がっている。

重慶晚報によると、重慶市渝中区は2022年第一四半期の教員採用予定人数が98人であったが、応募者数は15731人で競争倍率は161倍、中でも小学校の英語は827倍に達している。

一部の都市では名門大学の修士課程や博士課程修了者が続々と小中学校を目指しており、教員へのハードルは高まる一方である。

江蘇省のある中学では11月初め、教職に応募した22人のうち15人が清華大学および北京大学の出身で、大変な話題を呼んだ。

名門校を卒業して進学校や有名高校で教師を務める、といった進路が定着しそうである。

(中国経済新聞)