前2四半期と比べ、第3四半期における中国の雇用関連指標は改善傾向にあり、新型コロナウイルスの影響は続いているものの、過去最高を記録していた若年層の失業率が減少傾向に転じた。
国家統計局のデータによると、第1四半期の雇用情勢は、1、2月は安定的に推移し、3月は新型コロナウイルスの影響もあり、都市部調査失業率は5.8%に上昇した。第2四半期の調査失業率は、4月に6.1%と引き続き上昇したが、5月以降、コロナウイルスの状況が改善し、安定した経済・雇用政策が実施されたことから、調査失業率は低下し始めた。6月には5.5%となり、第3四半期の調査失業率は、7月が5.4%、8月が5.3%と低下したが、9月には再度コロナウイルスの影響を受け、調査失業率は上昇した。
9月における都市部調査失業率は5.5%で、前月より0.2ポイント上昇した。そのうち16〜24歳が17.9%、25〜59歳が4.7%となり、主要31都市における調査失業率は5.8%となった。また、全国の企業における雇用者の平均月間労働時間は47.8時間、第3四半期末の時点で、出稼ぎ農村労働者は1.8270億人であった。
第1~3四半期における都市部調査失業率の平均値は5.6%、うち第3四半期の平均値は5.4%で、第2四半期より0.4%ポイント低下した。
主要グループの雇用状況は第3四半期以降、改善傾向を見せている。8、9月における16〜24歳までの若年層の失業率は2ヵ月連続で低下し、9月には17.9%となった。また、失業率が高かった7月と比べ2ポイント低下し、前年同期比では0.4ポイント低下した。
首都経済貿易大学中国新就業形態研究センターの張成剛主任によると、新型コロナウイルスの予防と制御がより洗練され、各種雇用安定政策が引き続き強化されていることから、第4四半期も雇用市場は安定的に推移すると予想される。しかし、その一方で雇用市場に影響を与える不利な要因にも注意を払う必要がある。昨今、世界同時不況のリスクが高まる中、主要国におけるGDP成長率の低下や停滞による外需の弱体化は、中国の輸出に大きな圧力をかけ、製造業の雇用規模が大きく落ち込む可能性が出てきている。また、コロナウイルスの影響による内需の逼迫が引き続き各分野に影響を及ぼしており、雇用需要の大幅な増加には至っていない。
(中国経済新聞)