北京師範大学中国公益研究所の王振耀(ワン・ジェンヤオ)所長は、9月27日に開催された盤古智庫(Pangoal Institution)高齢社会研究所と30人フォーラム主催のシンポジウムにおいて、老化のペースが変化し、定年後も30年の人生が残っていることから、中国の高齢化社会を再定義し、アクティブな高齢化社会を支えるシステムを確立する必要があると述べた。
また、王氏はデータを列挙し、中国の定年退職者数は3億人を超え、2020年には60歳以上が2.64億人、65歳以上が1.91億人、80歳以上が3570万人となり「中国は間違いなく世界一の高齢化大国である」と述べた。
王氏は、中国の高齢者は定年後、働くことに熱心で、都市部の定年者は料理や家事を、農村部の定年者は農作業を継続して行っており、以前行った調査では、94%以上の高齢者が孫を育てているという非常にユニークな現象も発見した。また、この世代の高齢者は学習能力が非常に高いが、高齢者教育機関である老年大学が不足していることから、様々なシニア向け教材が登場している。
加えて王氏は、高齢者は「良い経済」の発展を支えるバックボーンであり、特に「新三届(シンサンジエ)」(1977〜1979年に大学生であった人)や「五老(ウーラオ)」(老幹部、老戦士、老専門家、老教師、老模範人物。老はベテランのこと)など、相当数の高齢者が今も「定年後、継続して働いている」と述べた。
「良い経済」とは、第一に一人当たりのGDPが1万ドル(146万円)に達し、生産性が高度に発達している。第二に、社会的価値が経済的価値を牽引して、経済が全体的に成長しており、科学技術、金融市場が発展している。第三に社会価値が体系的に推進され、社会経済全体の発展を促すという三つの意味合いを持っている。
「中国には、数えきれないほど多くの活発で健康的な高齢者がいる」王氏は、高齢者は社会的価値の消費者であると同時に、特別な生産者でもあるとし、現在、社会は高齢化のマイナス面を意識しすぎており、多くの政策や社会行動を調整する必要があると指摘している。
(中国経済新聞)