「満席でも儲からない」 中国航空業界、夏休み需要でも運賃低迷

2026/08/2 12:30

中国の2026年夏季航空輸送(暑運)が7月1日に始まってから1カ月が経過した。夏休み期間は例年、航空会社にとって最大の繁忙期となるが、今年前半は旅客数が過去最高を更新した一方で、航空券価格は近年で最も低い水準となり、航空各社の収益は伸び悩んでいる。

航空データ会社「航班管家」によると、7月の旅客便運航数は1日平均1万7,100便を超え、前年同月比1.3%増加した。このうち国内線(香港・マカオを含む)は1.3%増加した一方、国際線は1.5%減少した。

旅客数も過去最高を記録した。7月の旅客輸送人数は約7,447万6,000人(中国国内航空会社による輸送分)と推計され、前年同月比3.7%増となった。国内線、国際線ともに堅調な伸びを示している。

一方で、旅客数の増加は航空会社の収益改善には直結していない。7月前半は需要が例年より弱く、一部の航空会社では赤字運航が続き、利益を確保できたのは数日間にとどまったという。7月中旬以降は需要と運賃が徐々に回復したものの、全体としては前年を下回る水準が続いた。

空港別では、全国41カ所の年間旅客数1,000万人超の空港のうち20空港で発着便数が前年を上回った。伸び率が最も高かったのはウルムチ天山国際空港(18.8%増)、成都双流国際空港(15.0%増)、北京大興国際空港(9.3%増)だった。

地域別では、新疆ウイグル自治区への航空便供給が前年同期比10.3%増と最も大きく伸びたほか、北京市(7.2%増)、雲南省(6.6%増)も増加した。一方、青海省、寧夏回族自治区、内モンゴル自治区では便数が減少している。

今年の夏季需要を支えているのは家族旅行だ。旅行予約サイトのデータでは、人気上位20路線の約半数が、南部の都市から避暑地へ向かう「避暑路線」となった。長沙―新疆イリ線の予約は前年の5倍以上に増加し、安徽省蕪湖―貴陽、合肥―イリ、鄭州―芒市なども4倍前後の伸びを記録した。

しかし、旅客需要が増加しているにもかかわらず、航空券価格は上昇しなかった。7月の国内線エコノミークラスの平均運賃は燃油サーチャージ込みで834.7元(約1万7,200円)となり、前年同月比0.7%下落した。コロナ禍前の2019年と比べても7.1%低い水準だった。

主要20路線の平均運賃は844.9元(約1万7,400円)で、1,000元(約2万600円)を超えたのは北京首都国際空港発着の3路線のみだった。上海虹橋―北京首都、深圳―上海虹橋など4路線を除き、多くの主要路線で前年より運賃が下落し、北京首都発着の一部路線では1割以上値下がりした。

(中国経済新聞)