中国の高収入学部が交代 半導体専攻が初の首位に

2026/08/1 19:16

中国では産業構造の高度化を背景に、大学の人気学部や高収入が期待できる専攻に変化が生じている。就職調査機関・麦可思研究院(MyCOS)が公表した「2026年中国学部卒業生就業報告」によると、卒業半年後の平均月収が最も高い専攻は「マイクロエレクトロニクス科学・工学」となり、半導体などハードテクノロジー分野の存在感が一段と高まっている。

同報告によると、2025年度卒業生の卒業半年後の平均月収は、「マイクロエレクトロニクス科学・工学」が7,814元(約16万1,000円)で首位となった。2位は「電子科学・技術」、3位は「オートメーション(自動化)」で、これまで上位だった「情報セキュリティ」は4位に後退した。

「マイクロエレクトロニクス科学・工学」は2017年度卒業生のランキングで初めて11位に入って以降、順位を着実に上げ、2023年度と2024年度は2位、2025年度には初めて首位となった。また、「電子科学・技術」は9位から2位へ、「オートメーション」は19位から3位へ、「光電子情報科学・工学」は28位から5位へ順位を大きく伸ばした。

先端製造業関連の専攻も人気を集めている。「機械工学」は39位から7位、「車両工学」は45位から12位、「エネルギー・動力工学」は36位から14位へと順位を上げた。

麦可思研究院は、順位上昇が目立つ専攻は電子情報、オートメーション、機械、電気、材料などの分野に集中しており、半導体、高度製造設備、スマート製造といった戦略産業の発展を反映していると分析している。

また、河南省、広東省、山東省など11省の2023~2025年の大学入試データを分析したところ、機械、電気、オートメーション、電子情報など先端製造業や新エネルギー、新型インフラと関わりの深い専攻の人気が高まっていることが分かった。一方で、土木工学やコンピューター関連専攻は志願者数が減少傾向にある。

こうした産業構造の変化を受け、中国の大学も学部・学科の再編を加速させている。教育部が今年4月に公表した「普通高等学校学部専攻目録(2026年版)」では、新たに38の学部専攻が追加され、学部専攻数は13分野、92学科類、883専攻となった。

近年は多くの大学が、人工知能(AI)、半導体、航空宇宙、生命科学、未来型農業などの先端分野に対応した新学院を相次いで設立している。北京石油化工学院は7月、生物医薬・健康学院と人工知能学院を新設し、スマート製造や先端材料分野を支える人材育成を強化した。また、北京郵電大学も河北省・雄安新区で空天科学・技術学院を発足させるなど、次世代産業を見据えた教育体制の整備が進んでいる。

ハードテクノロジー産業の発展は都市間競争にも影響を与えている。合肥市、武漢市、成都市など中西部の新一線都市では、半導体や光電子、AI関連企業の集積が進み、若い人材を引き付けている。武漢市の「光谷」では約1万6,000社の光電子関連企業が集積し、「光・チップ・ディスプレー・端末・ネットワーク」を網羅する巨大産業クラスターを形成している。

専門家は、中西部の主要都市は教育・研究機関が充実していることに加え、ビジネス環境の改善によってイノベーション企業が育ちやすくなり、産業と人材が相互に集積する好循環が形成されていると分析している。今後も半導体やAIなどハードテクノロジー分野が、中国の大学教育や人材育成、地域経済の発展を牽引するとみられる。

(中国経済新聞)