コカ・コーラ上海閔行工場が36年の歴史に幕

2025/12/12 14:14

上海の「コカ・コーラ ワールド上海(Coca-Cola World Shanghai)」の公式アカウントがこのほど公開した“閉幕動画”が、市民や業界関係者に静かな驚きをもたらしている。動画では、閔行開発区で長年稼働してきた老舗飲料工場が閉鎖されることが伝えられた。

1988年、上海申美飲料食品有限公司は閔行開発区の文井路251号に設立された。外資企業の進出が本格化し始めた時期に建てられたこの工場は、上海で最も早く稼働したコカ・コーラのボトリング工場として知られている。

およそ36年にわたり、延べ400人近い従業員が汗を流し、累計130億本を超えるコカ・コーラ製品を生産してきた。上海の隅々まで、コーラを開けたときの“プシュッ”という爽快な音を届けてきた、まさに街の象徴的な存在だった。閉鎖の知らせを受け、SNSには多くの元従業員から「青春が終わったようだ」と名残惜しむ声が寄せられている。

■ かつては“憧れの職場”だった闵行開発区

閔行開発区は1983年に創設され、1986年には国務院の承認を受け、全国で初めての国家級経済技術開発区の一つとなった。当時、闵行開発区で働くことは“誰もが羨む安定した仕事”とされ、多くの若者が憧れたという。

その象徴であった申美工場の閉鎖は、時代の変化や産業構造の転換を物語る出来事とも言える。

■ 生産拠点は昆山へ移転、新工場がまもなく稼働

企業側によると、今回の閉鎖は事業再編の一環で、生産拠点は江蘇省の昆山市へ移される。今年10月には、蘇州市が新工場の稼働が間近であると正式に発表しており、最新設備を備えた工場での生産が始まれば、さらなる効率化が期待される。

(中国経済新聞)