中国の11月宅配便発展指数、前年比3%増――年間取扱量は1800億件を突破し過去最高を更新

2025/12/11 10:38

中国の宅配便市場が、年末商戦期に向けて力強い成長を続けている。国家郵政局の最新データによれば、2025年11月の宅配便発展指数は478.1となり、前年同月比3%増となった。取扱量の拡大に合わせ、業界全体では自動化やデジタル化への投資が進み、配送スピードや運用効率の向上が一段と加速している。

■ 年間取扱量、初めて1800億件を突破

11月までの累計宅配便取扱量は初めて1800億件を超え、すでに2024年の年間実績を上回った。巨大な需要を背景に、宅配ネットワークは高い稼働水準を維持している。

特に、10月21日から11月11日までの“宅配便繁忙期”には、ネット通販の大型セールでまとめ買いが増えたことを受け、全国で累計139.38億件の荷物が集荷された。1日あたりの平均は6.34億件で、平常時を17.8%上回った。

また、この期間中には単日で7.77億件という過去最高の取扱量を記録し、繁忙期への対応力が大きく強化されたことがうかがえる。

■ 「ウィンター経済」や農特産品の配送を後押し

11月中旬以降も、宅配便業界は高い稼働率を保った。寒冷地観光の活況で需要が伸びる「ウィンター経済」(冰雪経済)や、地方の農産物・特産品を都市部へ運ぶ物流需要を支えるなど、供給網の強化にも積極的に取り組んでいる。地域経済の活性化や消費市場の拡大を背景に、宅配便取扱量は高い水準で推移した。

■ 技術投資が進める“質の高い成長”

取扱量の増大に伴い、物流ロボットや自動仕分け設備、データ分析による配送ルート最適化など、先端技術の導入が一段と加速している。膨大な物流需要を効率的に処理する仕組みが整いつつあり、「取扱量の拡大」と「サービス品質・運用効率の向上」の両立に向けた業界の取り組みが本格的に進展している。

(中国経済新聞)