ユニオンペイ・インターナショナル(以下、ユニオンペイ)と中国銀行フランクフルト支店は、欧州で初めて「SplendorPlusデビットカード」を発行すると発表した。このカードは、ドイツから中国へ渡航する現地居住者を主な対象とし、中国旅行需要の高まりに応えて、手頃で便利な越境決済手段を提供することを目的としている。今回の取り組みはスムーズな取引体験を実現するだけでなく、国際交流や機関間の長期的な協力強化にもつながる。
SplendorPlusカードは、中国銀行のブランド力とユニオンペイの世界的なネットワークを組み合わせ、国内外で快適な決済環境を提供する。特典の目玉はキャッシュバックで、中国本土でユニオンペイを利用すると決済額の1%が還元される仕組みだ。
ドイツ国内では、ユニオンペイは空港やショッピング街、アウトレットといった主要観光地を中心に幅広く利用可能。百貨店、免税店、レストラン、ホテル、レンタカーなどに加え、Epayとの提携により、Müller、Galeria、Heinemann免税店といった大手チェーンでもQRコード決済が導入されている。
また、中国国内でも「Project Excellence」構想の一環として利便性が大きく向上。交通、飲食、ショッピング、エンタメを含む131万以上の加盟店で利用できるほか、213のオフライン統合コード加盟店、166の主要オンラインプラットフォームとも連携し、実店舗とデジタル双方でシームレスな決済体験を提供している。
今回の協業により、ユニオンペイと中国銀行フランクフルト支店はSplendorPlusの特典を既存カードにも適用する。これにより、中国銀行が発行するユニオンペイ人民元・外貨デュアル通貨デビットカードの競争力がさらに高まる。2025年10月1日からは既存のデュアル通貨デビットカードがSplendorPlusカードへ自動的にアップグレードされ、キャッシュバック特典もユニオンペイのモバイル基盤「U Rewards Platform」から利用可能になる。その結果、利用者の中国での決済体験はさらに快適になり、発行枚数や取引量の拡大も期待されている。
ユニオンペイは2024年に「Project Excellence」を始動し、さまざまな決済サービスを強化してきた。2025年初頭からは「利用シーンの拡充」「プロダクトの高度化」「国際展開の強化」を重点分野に掲げ、訪中外国人向けの決済簡素化を推進。その成果はデータにも表れており、海外発行・越境ユニオンペイカードの利用件数は前年比103%増、取引額は31%増を記録している。
多様化するユーザーニーズに応えるため、ユニオンペイはターゲット別の製品を展開している。SplendorPlusカードは長期滞在者や越境決済が必要な居住者向けに設計され、中国向け機能とグローバル対応を兼ね備えている。すでに世界20市場・56機関を通じて発行されており、ユニオンペイ全体では84の国・地域で数億枚規模のカードが発行されている。さらに、モバイル利用者向けには37市場で200種類以上のユニオンペイ標準デジタルウォレットが提供されている。
加えて、免税サービスの拡充も進んでおり、空港と市内双方で即時還付に対応。19の国・地域の決済ネットワークとも提携し、越境QRコードの相互利用も推進している。これにより海外からの旅行者は普段使っている決済手段を中国でもそのまま利用でき、旅行者・加盟店双方にとってより便利で使いやすい環境が整えられている。
ソース: UnionPay International
(中国経済新聞)