ロレアルグループ、中国市場への投資拡大を表明 

2025/04/1 19:32

2025年3月31日、ロレアル北アジアゾーン プレジデント兼ロレアル中国CEOのヴァンサン・ボワネは、「ロレアル中国2025年戦略コミュニケーション会議」において、中国市場に対する強い信頼感を改めて表明しました。同氏は、「中国への投資は未来への投資である」と強調し、今後も中国への投資を継続的に拡大する方針を明らかにしました。

会議の中で、ヴァンサン・ボワネ氏はロレアルの中国市場における長期的なビジョンを共有しました。ロレアルは、2030年までに中国でのターゲット消費者を現在の約1億人から1億5000万人に増やすことを目標に掲げています。この目標達成に向け、同社は研究開発、デジタル化、サステナビリティの分野での取り組みを強化し、中国の消費者に合わせた革新的な製品とサービスを提供していく計画です。

ロレアルは、中国が世界最大の美容市場としての地位を確立しつつあると見ており、特にZ世代やミレニアル世代の消費者が求めるパーソナライズされた美容体験への需要の高まりに注目しています。ヴァンサン・ボワネ氏は、「中国の消費者は非常に洗練されており、品質と持続可能性を重視しています。私たちは彼らの期待を超える価値を提供するために全力を尽くします」と述べました。

さらに、ロレアルは中国での事業拡大に伴い、現地の雇用創出やサプライチェーンの強化にも貢献する意向を示しました。近年、同社は上海にアジア初の「スマートフルフィルメントセンター」を設立するなど、中国市場でのインフラ投資を加速させており、2025年末までにさらなる生産能力の増強を計画しています。

中国経済が一部で減速感を示す中、ロレアルの積極的な投資姿勢は、グローバル企業が依然として中国市場に大きな成長機会を見出していることを示しています。ロレアルの中国事業は、同社全体の売上高の約30%を占めており、今後もグループの成長を牽引する重要な柱となる見通しです。2030年に向けた1億5000万人のターゲット達成が、同社のグローバル戦略にどのような影響を与えるのか、業界内外から注目が集まっています。

(中国経済新聞)