中国では、春節連休中にユニツリー(宇樹科技)製のロボットなどAI関連の製品がCCTVで盛んに登場し、大規模言語モデル(LLM)とスマート製品が相まって市場がにわかに活気を帯びている。
第一財経によると、中国最大の玩具の生産地域である広東省のスワトウ、東莞、深センなどで、広東省の国家級伝統芸能「英歌舞」を踊るロボット、その場で向きを変えられるフルスケールのリモコンカーFPV、ロボット犬といったAIの玩具を多くの企業が製造している様子が見える。
かねてからAIの活用を手掛けている広東省の群宇互動科技(群宇科技)の陳鋭烽社長は、各社がこぞってAIの玩具を手掛けていることについて、業界内での「AIは企業の利用効率ソリューションとしては複雑であるが、玩具については大変便利で製品を容易に造れるし、IPの愛好者が支えてくれるので人気が出て来る」という認識を挙げた。
方正証券の見積もりでは、中国のAI玩具について2028年に、普及率20%~25%となると想定すれば市場規模が300~400億元(約6175~8233億円)に達するという。
2月17日の昼、広東省スワトウ市澄海区にある群宇科技のAIパークで、戦闘服を着てこん棒を手にした積み木状のロボットが隊列をなし、係員がスイッチを入れると、リズムを合わせ、棍棒を放り上げ、太鼓を叩き、何度も動きを変えるなど、設定した手順に沿って「英歌舞」を踊った。リズム感抜群で実に見事だった。
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旧正月前夜の2025年1月28日、CCTV恒例の年越し特別番組でロボットの踊り手が力強いリズムで「英歌舞」を披露し、バックに流れた今風の歌謡曲とも相まって大変な好評を博した。
これら「踊るロボット」を自ら開発した陳社長は、「わが社の『英歌舞』のロボットは前から業界内で人気を集めており、教育用の衣装にしたところ注文やイベントへの誘いが殺到した。また今年の春節特番に出たこともあって、最近は見学やパフォーマンス披露の依頼が増え、『地元の伝統や文化にふさわしいロボットを作ってほしい』という企業も現れている」と述べている。