DeepSeek、140の国・地域でダウンロード数がトップ 新規ユーザー数最大はインド

2025/02/3 15:30

アメリカのブルームバーグは現地時間1月31日、DeepSeekの人工知能(AI)ソフトウェアが世界140の国・地域でスマホアプリとしてのダウンロード数がトップになったと報道した。新規ユーザー数が最も多いのはインドという。

世界のアプリストア(中国を除く)のデータをまとめているAppfiguresによると、DeepSeekの最新のAIチャットボットは、1月26日にアップルストア(App Store)でのダウンロード数がトップに立ち、その後も世界的にこの位置をキープしているという。データによると、このモデルは発売以来、インドでのダウンロード数が全体の15.6%を占めている。

モバイルアプリの分析会社Sensor Towerの研究でも、DeepSeekのダウンロード数は1月28日以降、グーグルの親会社Alphabetの傘下であるAndroid Play Storeで全米トップと示されている。さらに、ダウンロード数は18日間で1600万件となり、OpenAIのChatGPT発表時の900万件の倍に迫る勢いである。

ダウンロード数が特に多いのはインドである。DeepSeekのモデルは世界のAI界に衝撃を与えたのち、アメリカの政府やシリコンバレーが驚きの目をむいたほか、インドでも国全体で「中国にできることがなぜできないのだ」などという焦りを招き、国内でAI言語モデルを確立しようとの声も上がった。

このような「DeepSeekブーム」の波に、一般のユーザーだけでなく世界各地のテクノロジー大手も乗り始めている。香港の「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」は2月1日、「DeepSeekのトレーニング方法やプライバシー保護に厳しい目が注がれるようになる中、アメリカのテクノロジー界ではこのブームを生かして利益を求めに走る動きが相次いでいる。——エヌビディア、インテル、AMD、アマゾン、マイクロソフトなどが、自社のプラットフォームにDeepSeekを搭載したり、DeepSeekに改良を加えたりしている」と伝えた。

アメリカの半導体大手インテルは現地時間2月1日、「DeepSeekが先ごろ発表したJanus Proモデルは、性能や精度が高いことで業界内から注目されている」と表明した。Gaudi 2D AIアクセラレーターをこのモデルに合わせた形で改良し、AIの開発者はより低コストで効率よく複雑なタスクの配備や改善ができるようになったという。

インテルのライバルであるAMDも、新しいDeepSeek-V3モデルをInstinct MI300X GPUに統合したと発表した。このモデルはSGLang強化をしてAl推理について改良を加えているという。

またこのほか、当初からDeepSeekを高く評価していたエヌビディアも現地時間1月30日、推理モデルDeepSeek-R1がNVIDIA NIMマイクロサービスで利用可能になったと発表した。単一のNVIDIA HGX H200システムで、パーフェクトモデルDeepSeek-R1 671Bの処理速度が3872 Token/秒に達したという。

さらにアマゾンも、Amazon BedrockやSageMaker AIでDeepSeek-R1モデルの導入を果たしたほか、マイクロソフトもSNS「X」で、自社のクラウドサービスAzureをDeepSeek-R1に対応させたと発表している。

(中国経済新聞)