河北省滄州市運河区の人民裁判所で、軍人の妻と不倫関係にあった男に対して「軍婚破壊罪」として懲役1年4か月の判決が言い渡された。
2010年に軍に入隊した呉さんという男性は、2013年に宋玲さん(仮名)と結婚したが、その後別居生活を続けた。呉さんは当時について、「結婚してすぐ部隊に戻り、毎年実家に帰れるのはわずかな時間で、本当につらかった」と話した。妻の玲さんは2018年、ある会合でエンジニアの張容疑者と知り合った。「身なりもきちんとしていて、ささやくような話し声で、ずいぶん気を使ってくれた」という玲さんは、のちに少しずつ気持ちが傾いていったことを認めた。2人はやがて恋愛感情が芽生え、不倫関係となった。
呉さんは2021年に休假で帰省した際に、妻の行動がおかしいと感じた。「ひそかに外出することが多く、電話を受ける時は隠れていた」という呉さんは疑念が生じ、しばらく様子を見た末、ついに妻の浮気を発見した。ところが妻は、非を認めるどころか離婚を求めて訴訟を起こした。呉さんは憤慨し、一方的な訴えが認められるはずもないと思っていたが、裁判所は呉さんが同意したとして離婚を認めた。
張容疑者は、玲さんが軍人の妻と知りながら不適切な関係となり、4年間も同居生活をしたことで軍婚破壊罪が適用された。裁判所側は犯罪の事実や情状、社会的な悪影響を考え、張容疑者に対して懲役1年4か月の判決を下した。
中国では「国防法」59条により、軍人は全社会が尊敬すべきであり、国が軍人の栄誉や人格を守る有効な措置を講じ、軍人の婚姻は法により特別に保護するものとされている。また「刑法」259条により、相手が現役軍人の配偶者であることを知りながら同居または結婚した場合は、3年以下の懲役または勾留との処分が下される。
(中国経済新聞)