環境省は24日、新潟県佐渡市で生まれたトキ16羽を中国に返還すると発表した。中国側が29日に訪日し、佐渡市のトキ交流会館で引き渡しの署名を行い、31日に北京へ移送する。トキの返還は2016年以来8年ぶりとなる。中日双方の覚書に基づき、中国から日本に提供されたトキの子の半数は返すことになっている。
環境省によると、今回の返還対象のトキは佐渡トキ保護センターで2016年~2022年に生まれたメス9羽、オス7羽である。移送に先立ち、隔離して鳥インフルエンザなどの検査を実施している。飼育の準備が整い次第、北京動物園が受け入れるという。
特別天然記念物であるトキは「東方の宝石」や「吉祥之鳥」と言われ、かつては東アジアに広く分布し、日中韓の3か国で親しまれていた。20世紀に入ると、朝鮮半島や日本などでは相次ぎ野生種の姿が見えなくなった。中国では1981年に陝西省の陝西省秦嶺の奥地で7羽が再発見されていた。
絶滅間近となっていた1999年に中国から「洋洋」と「友友」のペアが佐渡に贈られ、種族の存続を救った。2023年12月現在には固体の数が693羽となっている。環境省も絶滅危惧種などを分類するレッドリストで「野生絶滅」から「絶滅危惧1A類」に指定を変更した。
中国は韓国にも、2008年と2013年の2度にわたりトキを贈っている。韓国の昌宁郡にあるトキ復元センターで、これまでに500羽以上が孵化し、繁殖している。
(中国経済新聞)