有名インフルエンサーが消費者の誤解を招く宣伝 所属先が調査受ける

2024/09/19 14:05

中秋節を前にした中国で、欠かせない食品となる月餅の販売が書き入れ時となっている。ところが、こうした祝日ムードに乗じて偽物の販売をしたり、あるいは消費者をだまして利益を得ようとしたりする悪徳業者も現れている。

中秋節である9月17日、安徽省合肥市高新区の市場監督管理局は、「三只羊網絡科技」が実施した「香港美誠月餅」のライブコマースで、「『消費者をだました』との疑いで調査をしており、結果に基づいて法的処分を下す」と発表した。

超人気KOL 「瘋狂小楊哥」

中国で中秋節を前に、フォロワー数が1億人を超えたTiktokの超人気KOL 「瘋狂小楊哥」氏や、所属元である三只羊のインフルエンサーが「香港美誠月餅」のライブコマースをした。番組中に小楊哥氏は、「ミシュランシェフが作った黒トリュフが入っている」と言ったが、そのあとでネットや代理店から「生産地は香港でなく広東省の広州と仏山だ」との声が上がった。直後に「月間売上高5000万元(約10億円)の香港の月餅が香港では買えない」とのコメントがトレンド入りした。この件について、「ライブでのトークが香港で作られたものと誤解を与えるような言い方だった」という批判の声が出ている。

北京にある嘉濰法律事務所の弁護士である趙占領氏は、「ライブコマースにおける商品の宣伝や説明は通常、商業広告であって、番組の配信元は広告の発表者かつ運営者であるとみなされる」と述べている。広告法により、広告の発表者は①広告主、つまり商品の販売者が合法的な資格を有しているか、②広告の内容が合法的なものであるか、の2点について審査をしなくてはならないという。広告の内容が事実と異なり虚假とみなされた場合は、番組の配信元は広告主、つまり商品の経営者とともに連帯責任を負う。またその広告が、広告主の提供でなくキャスター自身の創作であっても、当然ながら番組の配信元が法的責任を負うことになるという。

(中国経済新聞)