英ブリティッシュ・エアウェイズ、北京便を運休

2024/08/14 13:30

イギリスのブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways=BA)は8月8日、10月26日からロンドンー北京便を運休すると発表した。上海線と香港線は引き続き運航する。

BAによると、1年後の2025年11月に運航再開するかを判断する。影響を受ける乗客に対しては予約取り直しまたは全額払い戻しが可能だという。

運休の理由は、ロシアを回避するため飛行時間が長くなることと、需要の低迷である。イギリスではヴァージン・アトランティック航空(VS)が1か月前にロンドンー上海便の運休を発表しており、競合社であるBAがこれに続いた形となる。理由について両者いずれも「重大な課題と複雑性」と表明しており、特にロシア上空を回避することによる費用負担と飛行時間の増加を挙げている。

ヨーロッパの航空会社は2022年のウクライナ危機発生以降、ロシアの上空が飛行できなくなり、長距離路線である東アジア行きの便は飛行時間が増えただけでなく、燃料の消費や運営コストが増大している。BAの場合、北京ーロンドン便はモンゴルや中央アジアを経由することになって飛行時間が13時間かかるが、中国国際航空(CA)はロシア上空を飛行できるので10時間で到着する。

また、ヨーロッパの航空会社が中国便の一部運休との決定を下すにあたり、アジアへのフライトが予想したほど急激には回復していないとも表明している。イギリスのインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が先週の業績報告でアジア事業の落ち込みを認めているほか、ドイツのルフトハンザ航空も先週、アジア便の売上高が減っていると報告した。オーストラリアのカンタス航空は今年5月、需要の低迷を理由に中国本土を結んでいた唯一の路線を廃止している。

こうした運休措置が取られている中、中国の航空会社がすぐにその隙をついている。中国南方航空は(CZ)は今でも北京や河南省鄭州など5か所からロンドンのヒースロー空港への便を毎日運航しているほか、CA は2024年6月1日から北京とロンドンのガトウィック空港を結ぶ線を毎日運航に増便している。

(中国経済新聞)