北京の「中軸線」、世界遺産に登録

2024/08/6 13:30

インドの首都ニューデリーで7月27日に行われたユネスコの第46回世界遺産委員会で、「北京の中軸線・中国の理想的な都市秩序の傑作」が、中国で59件目となる世界遺産登録を果たした。

北京の旧市街地を南北に貫く北京中軸線は全長7.8キロメートルで、13世紀に建設が始まり、古都で計画された建物と遺跡を全般的に形成したものである。北側の鐘鼓楼に始まり、万寧橋、景山、故宮、端門、天安門、外金水橋、天安門広場と周囲の建物、正陽門、南側道路が現存し、南の永定門に至るまで計15か所の文化遺産で構成される。その東側には太廟と社稷壇が、西側には天壇と先農壇が存在している。

これらの文化遺産は、歴史的な宮殿建築、皇帝の祭祀用の建物、古い時代の都市管理用施設、国家の儀式用建物と公共建築物、中軸線上の道路の遺構という、5つの異なるタイプのもので構成されている。前後に起伏し、左右対称の景観リズムと壮麗な秩序を形成し、中国伝統の都市中軸線が成熟した段階に発展した傑作である。

ユネスコ世界遺産委員会は「北京中軸線」について、世界遺産の基準3と基準4を満たしたとみなし、北京旧市街の文化遺産保護に取り組んだ中国政府の多大な努力や得られた結果を高く評価した。主な評価の内容は以下の通りである。

・中国の伝統的な都市計画理論の哲学的概念「中」と「和」を表現しており、世界の都市計画の歴史に大きく貢献した(基準3)。

・中国の伝統市街地が成熟する段階での傑作であり、世界の都市の歴史における一種独特のタイプである(基準4)。

・完璧性、真実性、保護管理の状况を評価する。

世界遺産委員会は「北京中軸線」の真実性について、「市街地中心の延伸性を体現し、天安門広場や周りの建物はその発展における重要な構成部分で、現存の形を維持する必要性を認める」と表明している。

「北京特有の壮麗な秩序は、この中軸の建設から生まれたものだ」——これは有名建筑家である梁思成氏の目に映った「中軸線」である。古都・北京を700年以上にわたり形付けた中心的な建物群の「中軸線」、終始一貫して都市の発展をけん引している。