定番IPとトレンドがコラボ、「黄金ガンダム」が大人気

2024/07/31 14:30

1979年に誕生したSFアニメの「機動戦士ガンダム」における定番のIP・ガンダムは、これまで多くのファンに親しまれてきた。このIPを所有している株式会社バンダイナムコがこのほど中国で、宝飾品販売大手「老鳳祥」と提携し、黄金で造られた「機動戦士ガンダムSEED」を発売することになった。このシリーズ商品で特に目を引くのが1000カラットで造られた「黄金フリーガンダム」である。販売数はわずか10台で公式価格は88万元(約188万円)、発表直後から話題となり、7月29日にオンラインで発売開始した。100カラットのガンダム人形や、同じくガンダムをデザインした宝飾品も、シリーズ商品として発表されている。

老鳳祥が今回、世界を風靡した人気アニメのガンダムSEEDと提携したのは、若年化に向けての取り組みの一環と見られている。成果は上々であり、7月22日のコラボイベント発表から現在まで来店予約数は3000人以上、それもほぼ全部が若者たちであった。

上海にある老鳳祥の銀楼豫園店では、イベント初日である7月26日、ガンダムのファン数百人が見学に訪れ、買い物を楽しんだ。商品の売れ行きは抜群で、一部は入荷待ち状態であった。「黄金フリーガンダム」の人気は発売当日まで続いた。またゲームイベント「China Joy」でも、バンダイナムコのブースに商品が並び、大勢の若者たちが「フリーガンダムの像」に見入っていた。

老鳳祥は1848年設立、足掛け3世紀にわたる老舗であり、高級感や奥深さがしみ込んでいる。中国の宝飾品業界はこのところ、若者をターゲットにした取り組みを進めている。その一つである老鳳祥は今年の初め、中国のゲーム大手「miHoYo」の人気ゲーム「崩壊:スターレイル」とコラボし、「丹恒•飲月」という名称の金の札とブレスレットを発表し、たちまち人気商品となった。老鳳祥はこうした取り組みについて、ブランドイメージを刷新する新たな試みだと表明している。

一方、中国市場を重視しているバンダイナムコにとっても今回のコラボは大きな意義がある。バンダイナムコはガンダム以外に、「ONE PIECE」「NARUTO」「ドラゴンボール」「デジモンアドベンチャー」など多くの人気IPを抱え、そのどれもが中国でかなりの知名度を誇る。かねてから中国を市場開拓の重点と見ており、これまでのイメージの脱却を目指している。

(中国経済新聞)