中国の映画情報アプリ「灯塔専業版」によると、2024年の夏休み枠(6月1日—8月31日)の興行収入(前売り含む)について、7月15日の段階で43億元(約937億円)に達した。作品別に見た上位2位は「黙殺」(A Place Called Silence)、「雲辺有個小売部」(Moments We Shared)となっている。
中国映画界は、今年前半はやや鳴りを潜めていたが、夏休み枠は作品が豊富で、7月15日12時時点で106本が上映またはスケジュール確定となっている。ジャンル別ではドラマが35本、アニメが21本、ドキュメンタリーが8本、コメディが6本、アクションが5本、恋愛ものが5本である。

今年の夏休み枠について、灯塔専業版データアナリストの陳晋(Chen Jin)氏は、「テーマが豊富でタイプも様々、様々な観客層のニーズに応えられる。『倒倉』は女性人気が、『デッドプール&ウルヴァリン』(死侍与金剛狼)は男性人気が高く、『落凡塵』はファミリーでの鑑賞が多くなっている」と分析している。また都市別に見た興収ランキング上位5か所は、去年の夏休み枠と同じで上海、北京、深セン、広州、成都の順であり、一線都市の割合が去年同期の17.5%から18.4%に上昇している。
夏休み枠について、2023年の興収はコロナ禍前で最も良かった2019年を上回り、過去最高となる206億元(約4489億円)であった。業界内ではこうした好結果に対し、かなりの関心が寄せられている。
中国本土の証券大手「国泰君安」はレポートの中で、映画の夏休み枠について「期間が長く放映数も多く、1年でも特に重要な稼ぎ時となっており、2023年は年間興収の38%を占めた」と指摘している。また観客の多くは小学生~大学生であるという。今年も作品がたっぷり用意され、7月中旬から足を運ぶ観客の数も増えて、映画会社もかなりの収益が期待できそうである。
(中国経済新聞)