海外資本が中国の飲食市場を狙っている。ファストフードチェーン大手のレストラン・ブランズ・インターナショナル(RBI)は7月1日夜、米フライドチキンチェーン大手・Popeyesの中国事業を買収し、さらにカーテシアン・キャピタル(Cartesian Capital)とともに、カナダの国民的カフェチェーン「Tim Hortons(ティムホートンズ)」の中国法人「ティムズ・チャイナ」に資本注入することを発表した。
協定によるとRBIは、1500万ドル(約24億円)でPopeyesの事業を買収し、中国でのPopeyesの全事業をつかさどる。Popeyesのこれまでのスタッフは引き続き中国メンバーとするが、Popeyesの中国市場の「支配者」がティムズ・チャイナからRBIに移ることになる。
同時に、RBIとカルテシアン・キャピタルは、総額5,000万ドル(約81億円)という3年満期の転換社債型新株予約権付社債を通じて、ティムズ・チャイナに資本注入することで合意した。この投資により、RBIはティムズ・チャイナの取締役会に2名の取締役を任命する権利が付与され、株式所有率を18%まで引き上げる。
ティムズ・チャイナは6月5日、2024年第1四半期の決算報告を発表し、売上高は前年比3.1%増の3.468億元(約77億円)であった。
RBIのアジア太平洋地区社長であるラファエル・オドリッツィ(Rafael Odorizzi)氏は、「中国はチキン系ファストフードで世界屈指の市場であり、Popeyesがさらに力を発揮することは大変喜ばしく、誇りに思う。また同時に、今日発表した多額の投資もティムズ・チャイナによる質の高い店づくりへの取り組みを後押しするものになる」と述べている。
RBIは公開情報によると、年間売上高は400億ドル(約6.46兆円)以上で、120以上の国・地域に3万店舗以上を有し、いずれも有名ファストフードであるPOPEYES、ティムズ、バーガーキング、FIREHOUSE SUBSの4社を抱えている。このうちPopeyesは1972年に発足したフライドチキンのブランドで、中国では2023年8月19日に上海の淮海路に1号店をオープンし、現在は上海に14店を構えている。
(中国経済新聞)