蔚来能源(NIO Power)、300億円超の投資を獲得

2024/06/5 13:30

中国の新興EVメーカー「蔚来」(NIO)は5月31日夜、傘下の「蔚来能源投資(湖北)」(NIO Power)が武漢の光創新興技術の一期分創業投資ファンドなどから15億元(約323億円)の投資を獲得したと発表した。充電や電池交換、蓄電、電池サービス、エネルギーインターネット(IoE)などの技術開発や、製造、メンテナンス、および電池の充電・交換インフラの整備に使うほか、車載インターネットの革新事業に費やすという。

蔚来は、EV用電池交換ステーションの中国国内最大の運営会社であり、5月30日現在で高速道路の802か所も含めて中国全土に計2427か所を設けている。2023年の新規建設数は1011か所で、2024年も1000か所以上を建設する予定という。電池交換が有力事業となった中、秦力洪総裁は、便利な充電・交換体制で製品の重要な差別化を果たしていると指摘している。

ただし、電池交換ステーションは充電スタンドより建設費がかかり、利益も出にくい。蔚来の李斌会長によると、150億元(約323億円)で建設可能な交換ステーションの数は6000か所で対象利用者は600万人、1か所あたりのコストはおよそ250万元(約5392万円)であるという。計算上は1か所のステーションで1日に60件交換すれば利益が出るが、現在の交換数量は35~36件という。

蔚来は赤字減らしに向け、電池の技術規格の制定、充電・交換が可能な車種の開発、電池の資産管理など多方面での事業展開に向け、長安汽車、吉利汽車など自動車メーカー7社と提携合意をしている。パートナーがさらに増えれば、建設コストによる赤字分も削減されることになる。

電池の交換についてはこのほか、CATLも広汽埃安(AION)も交換可能車種の開発や交換用電池の開発・生産・流通、車両と電池のデータ管理などで突っ込んだ提携をすることで合意している。広汽埃安の電池交換可能車種の販売増を目指すものである。

国泰君安のレポートによると、電池交換モデルは電池の手入れや蓄電、車の購入費削減といったメリットがあり、充電効率という積年の問題の解消につながるという。交換ステーションの数は2025年末に2.21万か所となって市場規模は383億元(約8261億円)となり、2030年末には8.83万か所まで増えて市場規模は1091億元(約2.35兆円)となると見込まれている。

中国工業情報化省の辛国斌次官は、2023年世界車載電池大会で、「技術規格をさらに整備し、交換時の電池のサイズや接続口、通信プロトコルなどを共通化する必要がある」と述べている。また2023年7月に国家発展改革委員会などが発表した「自動車の消費促進に関する若干の措置」でも、条件の揃った都市や高速道路など幹線での交換ステーションの建設を勧めるなど、電池交換モデルの早期普及策を打ち出している。

(中国経済新聞)