テスラのマスク氏が北京を訪問 自動運転の中国導入へ

2024/05/2 11:00

アメリカの電気自動車(EV)メーカー・テスラの最高経営責任者であるマスク氏が、中国国際貿易促進委員会の招待に応じ、4月28日午後に北京に到着した。同委員会の任鴻斌会長とともに事業提携などについて話し合った。

ネットの映像によると、マスク氏は「中国でEVが普及している様子を見てうれしく思う。今後はすべての自動車がEVになるだろう」と述べている。

なお、同時期に開催されている世界最大規模の「北京モーターショー」に、テスラは出展していない。

テスラは今回のマスク氏の訪中スケジュールについて何ら表明をしていないが、先ごろマスク氏がSNSで発表したコメントを見ると、自動運転に関するシステム(FSD)の中国導入と、それらのデータの国外送信などについて協議をする模様である。

マスク氏は今月、SNSの「X」で、「いつごろFSDを中国に導入するか」との問いに対し、「すぐに実行するだろう」と表明している。

ただしその前に、まずはデータの国外送信に関する法的問題を片づける必要がある。テスラは2021年に、中国本土での車の販売時に発生したデータはすべて中国国内で保存し、海外に送信することはない」と表明していた。海外から部品の注文を受けるなど例外的なケースに限って、当局側の許可を得た上で部分的にデータ送信をすることになるという。

なおテスラは今、世界的に売り上げが落ちている。今月、売上高の大幅減や中国メーカーなどによるEVの価格競争に対応するため、「全世界で社員数を10%削減する」と発表した。また株価も、今年初めと比べて3分の1近く値下がりしている。

テスラはまた、自動運転の安全性に関する一連の調査を受けている。アメリカの道路交通安全局は先週金曜日、一連の衝突事故を受け、テスラがリコール後に十分な安全対策を講じているか調査を始めると発表した。テスラは去年12月、アメリカで200万台以上をリコールしている。

マスク氏は先週、決算発表会で、「既存のEVプラットフォームや生産ラインを活用して、より安値の車種を打ち出す。また自動運転技術を搭載した『ロボタクシー』(Robotaxi)を導入する」と表明した。マスク氏は今月、Xで、「Robotaxiを8月8日に公開する」とコメントしている。

(中国経済新聞)