化粧品ブランドのコーセー(Kosé) は、通販サイトのTmall で14年前から営業していた公式旗艦店を2024年4月19日で閉鎖すると発表した。
フォロワー数88.5万人を数えるこの旗艦店は、インフィニティ(INFINITY)、ワンバイコーセー(ONE BY KOSÉ)などを取り扱っており、コーセーの単独出資による高絲化粧品販売(中国)有限公司が運営している。
コーセーは1946年に設立され1988年に中国に進出し、2005年に中国との合弁企業から高絲化粧品販売の運営に切り替え、プロモーションや販売事業を実施している。
Tmallでは今回、コーセー自体の旗艦店はなくなるが、配下ブランドのコスメデコルテ(DECORTÉ)、雪肌精、アルビオン(Albion)の旗艦店については閉店の情報はなく、従来通り営業する。
今回の閉店についてコーセーは、事業の改革であって中国からの撤退ではないと説明している。引き続き中国市場を重視しており、Tmallの閉店は社内調整の一部だという。
コーセーは2023年、売上高は143.3億元(約3058億円)で前年より3.9%増えたが、営業利益は27.7%減の7.6億元(約162億円)であった。アジア太平洋地域(日本を除く)を見ると、特に中国本土でECや旅行関連小売りの売上高が34.7%も落ちており、これが中国事業見直しの理由の一つと見られている。
日系の化粧品に詳しい白雲虎氏は、「中国では国産ブランドに対する評価が高く、コーセーなど日本のブランドが出店計画を見直さざるを得なくなっている」と指摘する。今の市場環境では、小売りサイトやアクセスを頼りに運営する形が主流となっており、マーケットの地位やシェアを確保するにはこのようなやり方の導入が必須であるという。
(中国経済新聞)