中国、3月の中古住宅価格が主要70都市でほぼ値下がり 「安値で勝負」続く

2024/04/21 09:00

中国国家統計局の最近のデータによると、主要70都市における2023年3月の住宅価格について、前月より上昇したのは新築物件が11か所のみ、中古物件は同じく1か所のみであった。

これついてアナリストは、雇用の見通しや所得がさほど改善せずに需要が伸びなかったことを理由に挙げている。また、デベロッパーの値引きによる販売誘導や供給の増加も要因という。新築物件の価格は前月比0.3%減で10か月連続の下落となり、中古物件は同じく0.5%減で12か月連続の下落である。

中原地産のチーフアナリストである張大偉氏は、「春節期間中に刺激策が打ち出され、季節要因もあって需要が増えたが、値下げで成約を増やしている状態だった。ただし、政策が定着するにつれて値下がり幅も縮小しており、特に一線都市である北京、上海、深センでは、3月の中古物件の成約数が1年ぶりの高い数値となった」と述べた。

3月、中古物件の価格が唯一前月より上昇したのは福建省福州市で、0.1%増であった。一方で、湖南省長沙市は1.1%マイナス、広東省広州市と深センはともに1.0%のマイナスとなっている。

また同じく3月の新築物件の価格について、前月より上昇したのは陝西省西安市、湖南省長沙市、貴州省貴陽市、河北省石家荘市、浙江省杭州市、吉林省長春市、上海市、安徽省合肥市、四川省成都市、吉林省吉林市、海南省三亜市の11か所で、値上がり幅は0.1%~0.5%であった。これについて、不動産情報「58安居客」の張波研究院長は、「一線都市では売り出し件数が大幅に増えた。売れ残り分を消化するためにデベロッパーがかなりの値引きに走ったこともその理由の一つ」と述べている。

(中国経済新聞)