コスト上昇やECの拡大などを受け、またも有名スーパーの消滅が伝えられた。
4月16日、上海の「シティショップ」(上海城市超市)は各店舗が一斉に廃止された。伝えられた「告知書」によると、「解散を決定し、2024年4月16日から上海の全店舗を閉店する」とのことである。
シティショップのコールセンターは、「赤字続きで営業が全面停止となった」と答えている。
シティショップは1995年の設立で、世界各地のグルメを扱っており、輸入品が80%以上を占めている。一時は上海も含む長江デルタで最大規模の輸入食品および日用品スーパーとなっていた。
高級な輸入品を扱うことから、店舗は商城店、金橋店、聯洋店、天山店などいずれも伝統的な「高級住宅地」に立地し、輸入スーパーの草分け的な存在であった。
ところが30年近く経った今、事業に幕を下ろすことになってしまった。
ある客によると、初めて輸入食品を見たのがシティショップであり、商品は確かに値が張るものの質はまずまずだったという。「のちにどこでも手に入るようになって、わざわざ行くこともなくなった」とのことである。
今回の閉店は、急ではあるが必然的でもある。ある客は、「春節休みに行ったけれど、店は閑古鳥が鳴いていて、どうもおかしいと思った」とコメントしている。
シティショップは「告知書」で、「このところ経営が不振であり、色々と策を打ったが存続が難しくなった」と表明している。
中国では、高級スーパーは誕生して30年近くになる。当初は外国人や帰国者を相手に高値の路線を歩み続けていた。中間消費者層が増えたことで客の対象も拡大していったが、競争も一段と激しくなっている。
かつては多くの高級スーパーが目標とし、パイオニア的存在のシティショップであったが、今や沈みゆくものとなった。業界危うし、というメッセージにも受け取れる。
(中国経済新聞)