VW、中国で研究開発の増強へ4000億円を投資 2030年までにEV30車種を発表へ

2024/04/15 13:00

ドイツの自動車メーカー・VWグループはこのほど、安徽省合肥にある生産・イノベーションセンターの研究開発力の拡大へ25億ユーロ(約4103億円)を投資すると発表した。小鵬汽車(Xiaopeng)と提携し、2026年発表予定のミドルサイズSUVも含め新たにEV2車種を生産するという。

VWの最新の計画によると、2030年までに中国でEV 30車種以上を打ち出す。いずれも中国向けに特化したEVアーキテクチャー(CMP)をベースとし、2026年からコンパクトサイズのエントリーモデルで少なくとも4車種を投入するという。

VWグループで、本社のあるドイツを除き世界最大の研究開発センターとなるVW(中国)科技有限公司(VCTC)は、技術開発の中心地となるほか、中国との合弁メーカーと中国メーカーとの橋渡し役となってスマートコネクテッドカーの開発に取り組む。

VWの戦略は、研究開発力を強化し、中国のハイテク企業と提携することであり、「中国スピード」で技術革新をして製品の開発期間を30%以上短縮した上、より的確に中国のニーズに応じていく。

VWは中国で長らくシェアトップを維持しているが、このところ強烈な追い上げを見せるBYDとの差が縮まっており、2023年の中国での販売台数はBYD の302万台をわずかに上回る323.6万台であった。こうした状況から、BYDが優位に立つ「A級」と呼ばれるエントリークラスのスモール系EVに力を入れている。

VW中国法人のCEOであるラルフ・ブランドシュテッター氏(Ralf Brandstätter)は、A級の市場は今でもガソリン車が中心であるが新エネ車も十分に希望が持てると述べている。VWはこのクラスで14万~17万元(約296万~360万円)の新型4車種を打ち出し、優位性を維持した上で費用対効果と利益力のバランスをとる形にしていく。

(中国経済新聞)