中国税関総署が8月7日に発表した統計によると、2026年1~7月の中国の貨物貿易総額は30兆1300億元(約693兆円)に達し、前年同期比17.3%増加した。30兆元の大台を突破し、輸出入ともに高い伸びを維持している。内訳を見ると、輸出は17兆4400億元(約401兆円)で前年同期比14.0%増、輸入は12兆6900億元(約292兆円)で同22.0%増となった。
月別では、7月の輸出入額が4兆6600億元(約107兆円)となり、5カ月連続で4兆元(約92兆円)を上回った。前年同月比では19.2%増加した。
特に注目されるのが、ハイテク製品の輸出だ。7月には産業用ロボットや3Dプリンターなどの高技術製品の輸出が前年同月比50%以上増加。上半期の39%増をさらに上回り、7月の輸出増加額の約6割を押し上げた。中国の輸出構造において、いわゆる「新しい産業」の存在感が着実に高まっている。

輸出品目では、機械・電気製品の好調が目立つ。1~7月の機械・電気製品の輸出額は11兆1200億元(約256兆円)で、前年同期比21.2%増加した。中国の輸出総額に占める割合は63.8%に達し、前年同期から3.8ポイント上昇した。
中でも、電気自動車(EV)やリチウムイオン電池などのグリーン・低炭素関連製品の輸出が大きく伸びた。EVは前年同期比71.2%増、リチウムイオン電池は35.8%増となった。
さらに、3Dプリンターの輸出は前年同期比2.1倍、産業用ロボットは13.2%増、船舶は32.7%増となった。
中国機電製品輸出入商会の高士旺報道官は、機械・電気製品が中国の輸出に占める割合が63.8%まで上昇したことについて、同製品が中国の対外貿易を支える「安定の柱」であり、輸出拡大の最大の原動力になっていると指摘した。
高氏によると、機械・電気製品の輸出では、AI向けコンピューティング関連ハードウエア、新エネルギー車、産業用ロボット、高性能船舶など、付加価値の高い製品へのシフトが進んでいる。
中国の輸出はこれまでの「規模拡大」から、数量と品質を同時に高める「量質両立」へと転換しつつあるという。
AI関連産業の成長も輸出拡大の重要な要因となっている。東方金誠の分析によると、世界的なAI投資ブームを背景に、半導体などAI関連製品の輸出額が大幅に増加しており、現在の中国輸出の高成長を押し上げる主要因の一つとなっている。また、中国国内の製造業の高度化も、新エネルギー車やハイテク製品の輸出拡大につながっている。
一方、輸入も大きく伸びている。中国の輸入規模は17年連続で世界2位を維持しており、今年1~7月の輸入増加率は22%と、輸出を8ポイント上回った。
同期間の機械・電気製品の輸入額は5兆3100億元(約122兆円)で、前年同期比29.7%増。輸入総額の41.9%を占めた。大口商品の輸入量も前年同期比3%増加した。
高士旺氏は、機械・電気製品の輸出と輸入がともに高い伸びを示していることについて、中国国内での「輸入→加工→輸出」という双方向のサプライチェーンが引き続き活発に機能していることを示すものだと指摘する。
特にAI向けコンピューティング関連製品の貿易拡大は、中国が従来の製造業やサプライチェーンだけでなく、先端技術分野でも競争力を高めていることを示している。
今後については、前年の高い伸びの反動で輸出増加率が徐々に平常化する可能性があるほか、海外経済の減速や地政学的リスクなどが輸出の下押し要因となる可能性がある。
一方、機械・電気製品やハイテク製品の輸出比率が上昇していることに加え、AI産業チェーン関連の中間財貿易も好調なことから、中国の対外貿易は「AI+製造業」を軸に新たな成長分野を取り込みながら、下半期も一定の底堅さを維持するとみられている。
※日本円への換算は1元=約23円として算出しています。
(中国経済新聞)
