中国人民銀行と中国国家金融監督管理総局は共同で、「自動車ローンに関する政策の見直しに関する通達」(下称「通知」)を発表した。金融機関は、法を守りリスクを回避することを条件に、信用度や返済能力などに応じて自家用のガソリン車および新エネ車のローン借入額上限を定めることが可能となる。
これについて、中国人民銀行に近い関係者は、「中国国務院が定めた大規模な設備更新と使用済み品の下取りに関する取り組みに基づき、自動車の下取りを進めて購入を刺激することが狙い」と述べている。ローン返済分の割合の上限を緩和することで下取り時におけるフィナンシャルサポートを拡充するという。
この関係者によると、中国人民銀行と、当時の「中国銀行業監督管理委員会」が2017年に発した規定により、自家用のガソリン車および新エネ車のローン返済分は最高でそれぞれ80%および85%となっているが、今後はこの割合を金融機関で定められるようになり、最高で100%、つまり全額をローン返済とすることも可能になる。だたし営業用のガソリン車および新エネ車、中古車については据え置きで、それぞれ従来通り70%、75%、70%とする。
貸主として、カーローンを提供するのは商業銀行(カーローン、カード分割払い)、自動車金融会社(カーローン)などの金融機関やその他の少額融資会社などである。
今回の通達について、招聯金融の首席研究員である董希淼氏は、特徴として以下3点を挙げている。①自家用車のローン(ガソリン車、新エネ車とも)の割合を金融機関が決められるようになり、100%も可能となって、一段と車が買いやすくなる。②金融機関に対し、車を下取りする際にローン未返済による違約金をできる限り減額するよう求めており、これにより下取り後の新車購入時の負担額が減り、買おうとする意欲が湧いてくる。③カーローンについて詐欺行為が多発していることから、実施プロセス全体で管理を強化し、返済資金の流用を防ぎ、信用リスクを増やさないよう求めている。
(中国経済新聞)