ブルームバーグ:米中両国は、昨年のサンフランシスコでの首脳会談以来、対立を処理し互恵協力を推進することで合意した。しかし、アメリカは中国に対して貿易や技術規制を続けている。向こう1、2年でこのような情勢はどうなると見るか。またどのように対処するか。
王外相:米中関係は、両国民の福祉、人類と世界の将来に関わる。国際情勢がどれほど変化しようとも、中国の対米政策は常に安定性と連続性を維持し、常に歴史や人々、世界に対して責任ある態度で両国関係を処理してきた。
我々の立場は、習近平主席が打ち出した3つの原則、相互尊重・平和共存・協力ウィンウィンである。これは半世紀にわたる米中関係の経験と教訓をまとめたもので、大国の付き合い方のルールを把握したものでもあり、中米がともに順守し、努力すべき方向である。
具体的には、相互尊重が前提である。両国は社会制度や政治体制が異なるので、違いを尊重し、認めて、はじめて往来を続けられる。平和共存はボトムラインで、中国やアメリカといった大国の衝突や対立がもたらす結果は想像を絶するものだ。協力ウィンウィンは目標であり、両国が協力すれば、両国そして世界にプラスになる数多くのことを成し遂げられる。
昨年11月、米中の首脳がサンフランシスコで歴史的な会談をし、両国関係の悪化を止め、健全な成長軌道に戻すことで合意し、方向性が示された。習主席は米中関係の基本方針や原則的立場を詳しく述べた。バイデン大統領は、新たな冷戦は求めず、中国の体制変化を求めず、同盟関係を強化して中国に反対するようなことはせず、「台湾独立」を支持していないと改めて述べた上、中国が豊かになったことを喜ばしく感じ、中国の発展を締め付けようとせず、中国とのデカップリングも求めないと言った。
この会談から、中米関係は確かにある程度の改善をした。これは米中両国そして世界の人々の利益や願いに合致している。しかし、アメリカの中国に対する誤った認識が続いており、果たした約束を実行していないと言わざるを得ない。手を替え品を替えて中国を締め付けており、一方的な制裁リストが常に延長され、罪をかぶるレベルが考えられない程度に至っている。アメリカが常に言行不一致でれば、大国としての信用はどこにあるのか。「中国」と聞くだけで緊張や焦りが走るなら、大国の自信はどこにあるのか。自国だけ繁栄を維持し他国の正当な発展を許さないなら、国際的な公理はどこにあるのか。バリューチェーンの上側を独占して中国を低レベルに留めておくなら、公平な競争はどこにあるか。アメリカが直面する課題はアメリカ自身であり、中国ではない。一途に中国を締め付けるなら、最終的にアメリカ自身が害される。アメリカに対し、歴史の発展の大勢を見極め、客観的かつ理性的に中国の発展を見て、積極的かつ実務的に中国との交流を展開し、言行を一致させて約束を実行に移すよう求める。そして、中国と共に、米中関係を安定し、健全で、持続可能な成長軌道に乗せるよう求める。
今年は米中両国の国交樹立から45年である。習近平主席は、米中関係の希望は人民にあり、基礎は民間にあり、未来は青年にあり、活力は地方にあると指摘した。我々は米国との対話や交流を強化し、各界の友好往来を推進し、多くの相互理解の橋を架け、不必要な誤解と偏見や無くしたいと常に願っている。大国である米中双方がこの世界の正しいあり方を探ることができると信じている。
(中国経済新聞)