高合汽車、ライブコマースで活路

2024/03/12 11:00

操業停止や資金繰り困難に陥っている中国の高級EVメーカー「高合汽車」は、会社のネット配信スタジオで食料品や特産のお菓子を販売するなど、本業外での収入を生んで消費者をつなぎ留めようという従来にない策を講じている。国際女性デーの3月8日、同社のエンジニア部門のリーダーを務める楊悦卿(Yang Yueqing)氏が自らスタジオで商品をPRした。値段は29.9元(約612円)~888元(18170円)で、最も高いものはギフト用のオーストラリアM5ステーキのセットである。

この配信はかなりの関心を招き、フォロワー数は約16万人に達し、90万件以上の「いいね」を集めた。開始から1時間で700件を売りさばき、売上高はおよそ10万元(約205万円)であった。車に関連した商品を出さず食料品などを販売したことに、他の自動車メーカーはかなり驚きを感じた。

高合汽車は2024年の春節連休の後、工場が全面的に操業停止となり、6か月は立ち入りも許されず、1月の給与は2月末になって支給された。その後、会社の立ち上げ人である丁磊(Ding Lei)氏が、「救済期間は3か月あり、これからの3か月に全力で立ち直りを目指す。現在、かなりの会社が買収または投資に興味を示している。そこで活路を見出すことになる」と言い放った。

高合汽車は2月29日、操業停止中に離職した場合にN+1の補償金を支給すると発表した。ただし4回に分けての支給となり、初回分は2024年9月までに支給としている。

高合汽車はさらに、FFとの間でトラブルを抱えている。FFの立ち上げ人である賈躍亭(Jia Yueting)氏は3月5日にブログで、「かねてからの調査や証拠集めや準備を経て、今日、丁氏と高合汽車によるFFの知的財産権や技術データ、機密事項の盗み取りや侵害の容疑、あるいは犯罪行為について正式に訴訟した」と表明した。このコメントに対して丁氏は大変な驚きや怒りを覚え、「事実を明らかにするため、私自身と華人運通(高合汽車の親会社)/高合汽車の名義で賈氏を名誉棄損で訴える」と反撃した。

(中国経済新聞)