会社の実習生が残業を求めた上司に反抗

2024/03/9 10:00

中国では大学生の就職活動は今、「仕事探し」だけでなく、「いい仕事」を求めている。2000年代生まれの世代はみな比較的裕福な家庭であることから、就職の時期を引き伸ばせる。そう簡単に妥協せず、労働法に反したやり方をする会社や上司に対してズバリ本音を言う。

湖北省のある会社に実習生として入社した女性は、5か月経っても本採用されず、毎月の給料も2000元(約41321円)程度であった。さらには毎日夜9時、10時まで上司に残業を命じられ、叱られることもしょっちゅうだった。

これが仮に本人のスキル不足であれば、本人も大きな不満は持たなかっただろう。しかし、上司に与えられた仕事を10回以上やり直しても没にされ、どこが悪いのかも言われない。終業時間になる都度、難癖を言われ残業を命じられたこの社員は、ついにブチ切れて上司に食ってかかった。

この社員は、「労働契約を結んだのであって人身売買ではない。何でもかんでも人に押し付けて、いじめ同然だ。挙句に月給はたった2000元(約41321円)」と言った。思いもかけず反抗されたてうろたえた上司は、しきりにその言葉を否定し、「キャパが足りない。何もかもやらせることはない」と言った。

この社員が「みんな別の職場に配属されているのに、なぜ自分の仕事が終わっても帰れないのか」と聞くと、上司は「仕事を終えるのとうまくやるのは別物。翌日に回してはダメ。上司が残っているのに帰るとは何事だ」と答えた。社員は理解に苦しみ、「やりたければ1人で残業して。私とは関係ない」と言い捨てて帰ったという。

ネットではほとんどがこの社員の態度を支持し、会社を非難している。「本採用に不適ならさっさと言うべき。5か月経っても正社員になれず、残業代も出ない。こんな会社はすぐつぶれる」とのコメントが出ている。この社員はまた当局側に対し、卒業直後で勤務歴の浅い社員をいじめるような会社が現れないように管理を強化すべきと訴えている。

(中国経済新聞)