北京の首都医科大学宣武医院は1月29日、同院の趙国光教授のチームと清華大学医学部の洪波教授のチームが無線インプラントで脳と機器を接続する臨床試験について報告会を行い、頸髓損傷で全身不随であった患者に移植式硬膜外電極接続という治療を施して動きができるようになったと発表した。世界初のケースという。
脳への接続プロセッサーはめ込みという前例のない治療を受けたのは、交通事故で頸椎の脊髄が完全に損傷(ASIA 分類で Aランク)した54 歳の男性で、長らく全身不随の状態であった。
2023 年 10 月 24 日、宣武医院の趙教授のチームと清華大学医学部の洪教授のチームが、脳への接続機器無線インプラント(NEO=Neural Electronic Opportunity)という初めての臨床試験を行った。硬貨ほどの大きさのプロセッサー2台が神経外科医により患者の頭蓋骨に埋め込まれ、感覚運動脳で神経信号を捉えることに成功した。
この患者は、手術から10 日後に自宅に戻り、頭皮越しで機器から体内に電気を送り、脳内の神経信号を受信してパソコンやスマートフォンに送るという形で、脳との通信を行っている。
患者は3か月のリハビリトレーニングを経て、介助用の手袋により水を飲むなど脳の制御機能が再現され、90%以上の確率で正しく物をつかめるようになった。また、脊髄損傷の ASIA 臨床ランクや感覚誘発電位の測定値も改善している。
(中国経済新聞)