中国の地場系小売り大手の「中百集団」は、2023年12月19日夜、100%子会社である「中百倉儲超市有限公司」の財務を担当する邵(シャオ)容疑者が、約2億1900万元(約43億円)相当の資金を不正に流用した疑いがあるとの発表を行った。
この事件は当初、7月22日に公安に報告されたが、この問題を中百集団が公にしたのは12月19日だった。10月13日、公安は国外へ逃亡していた邵(シャオ)容疑者を逮捕し、現在も捜査が行われている。
また中百集団は12月20日、中国証券監督管理委員会(CSRC)湖北監視局より、上場企業の情報開示義務に違反し、重要な事象を適時に開示しなかったとして、警告書を受け取った。
中百集団は、今回の事件により、当社のその他債権および買掛金がそれぞれ約2億1,900万円(約43億8,000万円)増加し、貸倒引当金繰入額が約2億1,000万円(約42億円)発生する可能性がある。そして2023年度の総利益が約1億5,000万円(約10億円)減少し過年度累積利益が約1億6,000万円(約32億円)修正される見込みだ。
調査の結果、邵(シャオ)容疑者は仕入先の決済システムの抜け穴を利用し、書類や署名を偽造して不正に資金を流用していたことが明らかとなった。 特に生鮮食料品の調達分野では、生鮮食料品の統一規格がなく、サプライチェーンが不安定なため、価格のつり上げや仕入れ量の水増しといった不正行為が起こりやすい。 業界の専門家は、伝統的な生鮮食料品調達では、サプライヤーが通常中小規模であり、標準化された取引プロセスや手形がないため、仕入先のつり上げや金銭の支払いといった問題が起こりやすいと指摘している。
中百集団は、大手小売チェーン。主に大型スーパー、コンビニ、百貨店、家電量販店、ショッピングモールなどを運営し、湖北省、重慶市、湖南省に計1,700店舗を展開している。2022年の中国チェーン経営協会のデータによると、中百集団が運営するスーパーマーケットは、100社のなかで9位にランクインしている。
(中国経済新聞)