人気俳優が主演を務める映画に2000万円を投資するも・・1972万円の損失

2023/11/7 17:30

江蘇省無錫で、ある男性が、映画に投資したものの100万元近く(約2000万円近く)を失い、映画会社を訴えたが敗訴に終わった。

会社社長である今年40歳の孫さんという男性は去年、ある映画会社のPRマーケティングを通じ、100万元(約2055万円)で映画の投資権および収益権の2.63%分を取得した。この映画は、有名監督が指揮し人気俳優が主演を務めるラブコメディで、今年封切りとされたものだった。孫さんは当初、この映画は人気作品となってかなりの利益が望めると読んだ。

ところが、人気はさっぱりで評判も最悪だった。孫さんの配当分は契約により興行収入の2.63%と定められており、映画会社の宣伝費用を控除するとたった4万元余り(80万円余り)しか手に入らなかった。つまり孫さんは、投資額の96%に相当するおよそ96万元(約1972万円)を失ったのである。

この結果に納得がいかない孫さんは、映画会社が契約時に投資を招こうと作品のレベルや見通しを誇大にPRした上、宣伝費も不当に高かったと見なした。そこで映画会社を相手取り、契約の解除と元手の返金、および損害額と精神的苦痛を受けた分の賠償を求めて訴訟を起こした。

これについて、裁判所の審理では、映画会社は契約の際にある程度のリスクを開示しており、孫さんも契約の前にそれらの状況を十分に知った上で投資をしたものと見なし、契約は有効で詐欺には当たらないとした。また、映画の売れ行きや評判は市場や観客次第であって、映画会社には成功を保証する義務はなく契約には違反していないとした。さらに宣伝費も契約の通りに支払われ、法外な額ではないと見なした。よって孫さんの訴えを却下した。

また裁判所の調停の結果、映画会社は情状を酌量して宣伝費の一部を減額し、孫さんに11万元(約226万円)を支払うことで同意した。望み通りの結果は得られなかった孫さんだったが、受け入れた上、控訴はしないと表明している。

(中国経済新聞)