中国の習近平(シ―・ジンピン)国家主席は10月18日、北京で開かれている第3回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの開幕式に出席。基調演説を行ない、今後、参加国と共に「一帯一路」の「質の高い建設」を目指すとして、8項目の行動方針を発表した。
1. 「一帯一路」立体的相互接続ネットワークの構築
中国と欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の質の高い発展を加速させ、中欧 班列国際協力フォーラムを開催し、各方面と共に鉄道、道路直通輸送を基軸とするユーラシア大陸の新しい物流ルートを建設する。
2. 開放型世界経済の建設支援
中国は「シルクロード電子商取引(EC)」の試験区を建設し、より多くの国と自由貿易協定や投資保護協定を締結する。また製造業分野の外資参入措置制限を全面的に撤廃し、国有企業、デジタル経済、知的財産権、政府調達などの分野への改革を推し進める。今後5年間における中国のモノとサービスの貿易額は、それぞれ32兆ドルと5兆ドルを超えると見込まれる。
3. 実務協力の展開
中国は象徴的プロジェクトと「小さく美しい」民生事業を統一的に推進する。中国国家開発銀行と中国輸出入銀行が3500億元の融資窓口を設け、シルクロード基金は新たに800億元の資金を調達し、市場化・商業化の方式で「一帯一路」共同建設プロジェクトを支援する。
4. グリーン発展の促進
中国はグリーンインフラ、グリーンエネルギー、グリーン交通などの分野で協力を持続的に深化させ、「一帯一路」グリーン発展国際連盟への支持を拡大し、「一帯一路」グリーンイノベーション大会を引き続き開催し、太陽光発電産業の対話・交流メカニズムとグリーン・低炭素専門家ネットワークを構築。「一帯一路」グリーン投資原則を実行に移し、2030年までにパートナー国のために延べ10万人の研修を実施する。
5. 科学技術革新の促進
中国は引き続き「一帯一路」科学技術革新行動計画を実施し、第1回「一帯一路」科学技術交流大会を開催する。今後5年間において、各方面と共同建設した実験室を100ヶ所に拡大し、各国の若手科学者が中国で短期間勤務することを支持する。
6. 文明対話の深化
中国が「良渚フォーラム」を開催し、「一帯一路」共同建設に参加する国々との文明対話を深める。また、すでに設立されたシルクロード国際劇院、芸術祭、博物館、美術館、図書館連盟に加え、シルクロード観光都市連盟を発足させ、「シルクロード」中国政府奨学金プログラムを引き続き実施する
7. 廉潔な道の建設
中国は協力パートナーと共同で「『一帯一路』廉潔建設の成果と展望」を発表し、「『一帯一路』廉潔建設のハイレベル原則」を打ち出す。
8. 「一帯一路」国際協力メカニズムの整備
中国が「一帯一路」共同建設の各国とエネルギーや税収、金融、グリーン(環境配慮型)発展、減災、反腐敗、シンクタンク、メディア、文化などの分野で多国間協力プラットフォームの建設を強化し、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの継続開催とサミットフォーラム事務局を設立する。
(中国経済新聞)