アップルなどの電子製品受託生産大手である台湾の鴻海グループは、鴻海精密工業の創業者で2024年の台湾総統選挙への出馬を表明した郭台銘氏が、自己都合で役員を辞任すると発表した。これについては退路を残しておくためとの見方も出ており、郭氏は以前に「個人の財産を犠牲にしてでも中国の乗っ取りを防ぐ」と称し、鴻海との関係を清算することで挽回の余地が出てくるのではないか、などとの憶測も流れた。しかし郭氏の回答は、予想外のものだった。
郭氏は取材に対し、「取締役会にはもう4年間参加しておらず、メディアを通じて役員をやめていたことを思い出した。手続きを忘れていた」と述べた。しかしこの言い方はいい加減でとても信じられず、一番の理由は鴻海の株価下落を避けるためとみられる。
郭氏はまた、台北で地元市民と交流した際に、補佐役に対して4つの条件を挙げた。自分より能力があること、女性であること、補い合って将来の政権運営における様々な議題で協力してくれること、そして最後に、なるべく政治的色彩の薄い人がいい、と言った。台湾では政治家は嫌がられているからという。
(中国経済新聞)