猫眼専業版データによると、8月28日00時現在、烏爾善（ウー・アルシャン）がメガホンを執り、費翔（フェイ・シャン）、黄渤（ホァン・ボー）、于适（ユイ・シー）、陳牧馳（チェン・ムーチー）、娜然（ナー・ラン）等が主演した『封神第一部』の興行収入は24億3700万元（約487億円）を突破し、中国映画史上歴代25位にランクインした。
数日前、裴翔はSNSに『封神第一部』の宣伝のため8月30日から開幕する第80回ベネチア国際映画祭に出演者たちと共に出席すると投稿している。
長年ロンドンに拠点を移していたフェイ・シャンが、「封神第一部」で再び注目される
新華社通信のインタビューに対して、フェイ・シャンは「すでに長い間、中国の芸能界から離れており、このまま静かにイギリスで過ごすつもりでいました。でもある日、ウー・アルシャン監督から『封神第一部』の脚本を見てもらえないかという電話がかかってきました。後日、送られてきた脚本を見ると、幼少期から西遊記や神話を見て育った私にとって、是非とも参加したい作品でした。私は、すぐに監督へ連絡し、どの役柄でも構わないので出演させてほしいと頼みました。以前から、中国神話には、独特の魅力があり、それを次の世代へと受け継いでいかなければならないと思っており、その機会を得て、今回戻ってきました」と述べた。
フェイ・シャンは、台湾で歌手としてデビュー。その後1987年に、中国中央電視台の春節聯歓晩会（中国版・紅白歌合戦）に出演。真っ赤なタキシードを着て『冬の火（冬天里的一把火）』、続いて『故郷の雲（故郷的雲）』をエネルギッシュに歌い上げた。彼の姿に多くの人が魅了され、一夜にして、フェイ・シャンに関する新聞、雑誌、カセットはすべて品切れとなり、中央電視台に送られたラブレターが部屋中を埋め尽くした。
中国全土で絶大な人気を誇っていたフェイ・シャンだったが、名声に惑わされることなく、新たな地平を求め歌手活動を休止しすることを発表した。
フェイ・シャンが次に選んだ道は、ミュージカルだった。8万人の応募者の中から、世界4大ミュージカルの一つとされる『ミス・サイゴン』のキャストに選ばれ、徐々に国際舞台で頭角を現していった。ミュージカル界の重鎮、アンドルー・ロイド・ウェバーに才能を見出され、その後、サラ・ブライトマンとツアーを回った。フェイ・シャンは、中国と西洋文化の架け橋として、ミュージカルを中国で普及するために尽力し、その活動は今も続いている。
プライベートでは、２匹の猫を飼っているフェイ・シャン。どちらも撮影中に彼自身が保護した猫で、瀕死の状態だった。当時、上海を拠点としていた彼は、撮影していた地方から子猫を抱え10時間かけて家へ帰った。フェイ・シャンのSNSには、ロンドンの自宅でのびのびと過ごす白と黒の猫とキジトラの猫の姿が頻繁に登場している。
また、フェイ・シャンは、スタンフォード大学の卒業生で、読書家としても知られ彼のロンドンの自宅にある本棚には、隙間なく書籍が並んでいる。フェイ・シャンの父、ウェイド・フィリップスはイェール大学アジア研究科の博士課程を修了しており、母親のリナ・ビはハルビン生まれ北京育ちで国立台湾師範大学芸術学部を卒業している。卒業後、ラジオのアナウンサーとなったリナは、毎日、詩集を両腕に抱え、文章や絵も描ける才女で、フェイ・シャンの初期の歌詞の多くは、母の手から生まれたものだという。
今年62歳になったフェイ・シャンは、まだ一度も結婚していない。かつて台湾の歌手・葉倩文（イエ・チンウェン）との恋は、今でも多くの人の心に残っている。当時、スタンフォード大学を卒業したフェイ・シャンは台湾へ戻り歌手活動を始めていた。そして、イエ・チンウェンも卒業後カナダから戻り芸能活動を始めており、まだ2人とも新人だったが、お互いの才能に惹かれ合っていった。長身のイエ・チンウェンの横に、191センチのフェイ・シャンが並んだ姿には愛が溢れており、将来を見据えての交際だった。しかし、フェイ・シャンの母親が2人の交際に猛反対。恋人の母親に嫌われていることを知ったイエ・チンウェンは、あっさりとフェイ・シャンとの恋を終わらせてしまった。
その後、フェイ・シャンが誰と交際しているのか、一切公の場で語られることはなかった。大切な人との別れにより、母との間に溝ができ、関係を改善するには数年の時間を要した。だが、イエ・チンウェンのような運命を感じられる相手に巡り合うことはなかった。
長い長い冬を終え、62歳となったフェイ・シャン。『封神第一部』への出演により、ついに運命の相手に巡りあったようだ。相手は、26歳のナー・ラン、撮影中に仲睦まじい2人の姿が何度も目撃されている。
2人の恋の行方がどうなるかはわからない。だが、フェイ・シャンの久しぶりの恋に祝福が溢れ、彼の生きざまを見た人々の心にも希望の炎が次々と灯されている。
（中国経済新聞）