スウェーデンの家具販売大手・イケアの中国法人は8月29日、既存の資産の改善や整理およびインフラの整備に向けて、向こう3年間で63億元（約1262億円）を投入すると発表した。

中国商務省のまとめによると、2023年1—7月の外国資本導入額は前年同期より4%減って7667.1億元（約15.36兆円）であった。イケアの関係者は、このような中で中国に多額の投資をする理由について「中国に進出して25年間、事業規模は急速に膨らんだ。今はチャンスと課題が併存しているニューノーマルの中、家具などの消費を刺激する策が講じられており、中国は消費や小売市場が着実に元気を取り戻している」と述べた。

イケアにとって中国は特に重視する市場の一つであり、現在はスウェーデン以外で唯一、商品デザイン、テスト、生産、購買、保管や配達、小売り、ショッピングセンター、デジタル化改革など各分野に及ぶトータル的なバリューチェーンを備えている。

イケアは、商品を一段とリーズナブルなものにするため、全館収納に関するものや特に人気のある商品300品目を2024年度から値下げすると発表した。また、中国で無料配達サービスや代金の分割払いを導入するという。

またイケアは飲食事業について、植物由来フードを引き続き安値で提供していく。中国で最も有名な商品は1本1元のアイスクリームで、値段は25年間据え置きである。イケアの関係者はこの「1元アイス」について、「これを目当てに多くの人が店に足を運んでくれるので、かなりの効果がある」と述べている。

（中国経済新聞）