中国は首都圏における三大行政区「京津冀」などが大雨に見舞われ、河北省にある中国最大の書籍保管施設も浸水した。この中で、本の保管業務に従事する通販サイト「中図網」は400万冊が被害に遭い、一夜で3億元(約60億円)以上の損害を被った。
中図網の創業者でCEOである黄平氏は8月4日夕方、初めてオンラインモール「タオバオ」でライブに出演し、対応策や活動再開などについて語った。こみ上げるものを抑えきれない様子で「25年間の努力が壊滅状態となった」と述べた。中図網はこの日夜、ランダムに4冊を詰めた99元(約1956円)の「中図網応援セット」2種類を、タオバオやTmallの各ショップや自社のアプリなどで計20万件以上売りさばいたほか、ショップの全書籍が相次ぎ注文を受けた。
ライブスタジオを見ると、単行本やシリーズ本を出したほか、「応援セット」も並べて2時間で2000人以上が購入した。また別の新商品「中図網応援セット-クリエイティブ版」については、売上高の10%を同業他社の活動再開資金に使うという。
2時間にわたる配信中、「がんばれ」、「かわいそうな黄社長」、「困ったときは一緒だ」といったコメントが画面に流れた。何度かむせびながらも「みんなに一冊送る」と決めた黄氏に対して、「大丈夫、自分で注文するから」とのコメントが多数寄せられた。
(中国経済新聞)