山東省で鉄道建設工事業者が元請け会社を「手抜き工事」と指摘

2023/07/22 18:30

山東省で建設中の高速鉄道「莱栄線」で、第三区間の工事を担当している河南省の「三捷実業有限公司」が、施工業者の「中国建築第八工程局有限公司」(以下「中建八局」)に対し、路盤の一部で打ち付けるボルトの長さが設計基準以下であると名指しで指摘した。重大な欠陥となる手抜き工事と見ている。

山東省交通運輸庁はこの件について調査チームを設け、中建八局も事態を重く見て確認調査に全力で協力するとしている。

山東省の一大プロジェクトである莱栄線は、西は青島の莱西市、東は威海の栄成市を結ぶ全長193キロメートルの路線であり、総工費297億元(5790億円)、設計時速は350キロメートルで、2020年11月に着工し2023年10月末に開通予定である。この路線の第三区間を中建八局が請け負い、三捷実業は下請け業者として一部の路盤の穴あけと杭打ち作業を担当している。

公開資料によると、中建八局は、国営大手でフォーチュングローバル500に数えられる「中国建築」の完全子会社となっている。中国国家建築工程部の直属会社として1952年に設立され、1966年に中央軍事委員会および国務院の命により基建工程兵部隊に改められ、1983年9月に組織替えで会社となった。2007年12月には中国建築第八工程局に組織変更し、現在は上海市に本社がある。従業員数は5万人あまりで、6つの支局と26社の下請け会社を有し、主な決算指標は中国建築の中でもトップに立っている。

(中国経済新聞)