中国でこのほど、10年間練り上げて30億元を投じた映画「封神」(注)が先行上映された。北京でのプレミアショーで、黒のキャミソールをまとい、キャリア風のショートカットで現れた46歳のユアン・チュアン。そのエレガントでゆったりした姿がネットで話題となった。この作品で彼女が演じた貫禄十分の「姜王妃」は、実に適役であった。
ユアン・チュアンの芸能生活を振り返ると、演技もルックスも高く評価されてきた。中央戯劇学院の演劇学科に在籍していた1996年、チャン・ツィイーやチン・ハイルーなどとともに学内の「7人娘」と呼ばれた。
ユアン・チュアンは映画「春天的狂想」(春の狂想)で第19回中国映画金鶏賞の助演女優賞を受賞し、2000年にはパン・ユエミンとともに恋愛映画「藍色愛情」(ブルー・ラブ)に出演して第8回北京大学生映画祭の最優秀女優賞をさらった。
2002年にはニー・ピン、スン・ハイインとの共演作「美麗的大脚」(美しい足)で、またも金鶏賞の助演女優賞を獲得した。
2017年には、瀋厳監督のシティー派ドラマ「我的前半生」でキャリアウーマンの唐晶を演じ、「強さ、そして自信が強烈な魅力を放っている」と評された。
実力を備えながら控えめなユアン・チュアンは、バラエティーには出演せず、スキャンダルもなく、ひけらかしやアクセスに頼らず、家庭にも恵まれ、表舞台に出る都度喜びを与えてくれる。キャンパス・ラブから13年間の付き合いを経てゴールインした夫のシア・ユイとともに、控えめながら安らぎの日々を送る。2人はそう、ともに成長し同じものを求め、芸能界の清らかなおしどり夫婦となったのである。2010年3月には娘の夏哈哈ちゃんが生まれ、母となったユアン・チュアンは自身を「育児は大変だけど幸せ」と表現した。母親に一層の感謝を覚え、娘も愛で一杯の楽しい子供に育って欲しいと語った。
ユアン・チュアン、歳月とともに輝きを増していく。
注:「封神」は、中国で名の知れた昔の神怪小説「封神演義」を題材にしたもの。3000年以上も前の、人間と仙人ともののけの間で長らく続いた神話戦争を描いた物語である。
(中国経済新聞)