韓国のSamsungが先ごろ、「ダイヤモンドピクセル」に関するOLED特許5件を侵害しているとして、中国のディスプレーパネル最大手「京東方」(BOE)を相手取り、アメリカ・テキサス州東部地方裁判所に提訴した。Samsungは去年、Captain Mobile Parts などアメリカの複数の修理会社がiPhone 12の修理の際に中国製のパネルを使っていたことを発見し、12 月にITCに対して中国製部品の使用禁止を申し入れた。するとBOEはその直後に、「華星光電」、「天馬」、「維信諾」など中国OLEDメーカーとともにアメリカ特許局に対して特許を無効にするよう求めた。
そしてBOEは今年 4 月に、自社のOLED 特許を侵害したとしてSamsungを相手取り重慶第一中級人民裁判所に提訴した。今回のSamsungの動きはこれに対する対抗措置である。OLEDやLCD について、中国メーカーの台頭により新旧大手による特許をめぐる争いがほぼ不可避な状態となっている。
SamsungとBOEは、ともにOLEDパネルメーカーとして世界的に重要な地位を占めている。Samsungは技術力や市場シェアをバックに業界トップを走り続ける一方、BOEもこのところ技術革新や投資を続けていることで急成長している。激しい競争を繰り広げる両者は、パネルの技術開発や市場シェア、提携先といった面で違いが生じている。
(中国経済新聞)