先ごろネットで、スマートフォンメーカー・シャオミが音声アシスタント「小愛同学」(Xiao Ai)を通じ、初めての同社製自動車となるEVセダンのスペックと売値を発表したと伝えられた。スタンダードタイプとproタイプの2車種で、値段はそれぞれ14.99万元(約300万円)、17.99万元(約359万円)となっている。
シャオミの広報担当である王化氏はこれについて6月26日、個人のブログで「2022年5月に個人メディアで伝えられた推測を小愛同学が捉えたものだ。数日前に、小愛がこの情報を取り入れたのかと尋ねられた」と答え、売値もスペックもデマだと表明した。
「小愛同学」とは、音声対話をベースとするシャオミのAIサービスアプリである。王氏によると、「AIのおかげで暮らしも仕事も随分と便利になったが、捉えた情報が正しいものかを確認し、真偽を見定めることはまだ不可能であり、これはやはり人間の強みだ」という。自社製の車は来年発表予定で、今は値段はつけられないとしている。
シャオミの2023年第一四半期決算によると、研究開発費が前年同期比18%増の41億元(約817億円)であり、このうち多機能EVなど新型の事業に対する費用が11億元(約219億円)となっている。
シャオミグループの盧偉氷総裁は電話会議で、現在の自動車製造の進捗について「2022年は順調だった。2023年は研究開発を足早に進め、夏には夏季用テストを、冬には冬季用テストを1回ずつ実施する。そして当初の計画通りに2024年前半に発売予定だ」と述べている。
シャオミの雷軍会長は2022年3月末に、「人生の栄誉すべてを賭けて、改めて現場に立ち、自動車のために戦う」との宣言をもって、多機能EVを製造すると正式に表明していた。10年間で100億ドル(約1.44兆円)をつぎ込むという。多機能EVは今後10年間、最も広大な成長が見込める分野だと雷会長は見ている。
(中国経済新聞)