中国税関総署によると、国内向け商品の国境間輸送協力を遂行する海外港湾の使用を促進するため、吉林省がロシアのウラジオストク港を国内向け貨物の積み替えに利用し、浙江省舟山の甬舟コンテナふ頭と嘉興の乍浦港を受け入れ港とすることで、政府三部門の許可が下された。
海と接する港のない吉林省と黒竜江省は、貨物を遼寧省の大連港まで陸送し、船に貨物を積み替えて輸送するという作業を長らく続けてきた。ロシア極東の港が利用可能となれば、陸路輸送距離が大幅に短縮し、コストが大きく節約される。黒竜江省や吉林省から遼寧省の港までの距離は、陸路ではほぼ1000キロメートル以上だが、黒竜江省綏芬河や吉林省琿春からウラジオストク港までは約200キロメートル程度である。
国内貨物の国境間輸送とは、国内の港を出発した貨物を一旦国外に運んでから国内の別の港に輸送することを指す。今回の場合、出荷場所は黒竜江省と吉林省のみであり、綏芬河や琿春などからロシアなど国外行きの船に積まれて再び中国南東部の港に輸送されるわけである。
中国税関総署の最新データによると、2023年第一四半期、ロシアとの貿易額は前年同期比38.7%増
の538.46億ドル(約7.32兆円)で、このうち輸出は同47.1%増の240.74億ドル(約3.27兆円)、輸入
は32.6%増の297.72億ドル(約4.05兆円)であった。2022年の中ロ間貿易額は29.3%増で過去最高
となる1902.71億ドル(約25.87兆円)に達している。