北京でインフルエンザ流行 コロナ感染者を上回る

2023/03/1 17:45

このところXBB.1.5の感染者がまた増え出している中国で、A型インフルエンザも流行している。

中国疾病予防コントロールセンターが2月25日に更新した新型コロナウイルスの感染状況を見ると、2022年12月1日から2023年2月23日にかけて主要変異株の症例が22人発生しており、このうちXBB.1が1人、XBB.1.5が5人であった。XBB.1.5については前週と比べて4人増えている。

また、国家インフルエンザセンターによる23日の最新データでは、2023年の第7週(2月13日~19日)のインフルエンザ陽性率は引き続き前週比増となり、このうちA型H1N1が全体の71%を占めた。また北京市疾病コントロールセンターによると、同一時期で患者数が最も多かったのがインフルエンザで、新型コロナウイルス感染を上回っている。

感染科やウイルス学の専門家によると、様々なウイルスが拡散するこの時期、A型インフルエンザは肺の疾病など重症化する割合が低く、一方でXBB.1.5がコロナの主流株となってはいるものの、時期的に見て2022/2023年のインフルエンザ流行期と重なる可能性は低いという。仮に複数のウイルスに感染しても、抵抗力があれば重症化する危険性は薄くなるので、さほど心配することもないという。

「ただしお年寄り、特に今シーズンにインフルエンザのワクチンを接種しておらず基礎疾患のある高齢者は、十分に注意するべきだ」。安徽医科大学第二付属病院内科学(伝染病)の主任医師である張振華氏はこのように述べる。コロナのピークから2か月余りが経過して感染後の抗体が低下しつつある中、お年寄りはこの時期にインフルエンザなどの呼吸器系感染症にかかりやすい。またコロナ未感染者や自然抗体が発生したお年寄りは、なおさらインフルエンザや院内感染で重症に陥りやすいとのことである。

(中国経済新聞)