2022年も暮れようとしている。
依然として終息の見通せないパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻、そしてあらゆる世界の動向を左右する因子となっている米中対立…。
われわれの「世界を見る眼」が厳しく問われる状況が一層先鋭化することを痛感しながらこの年を送ることになった。
世界は片時も休むことなく動いている。そして、それらの動きすべてが連関し、同時進行している。加えて、それらの「動き」の背後には「不可視の力学」が複雑にうごめく。俗流の「陰謀論」などに堕することなく、しかし背後に隠れた力学と構図、構造を見極めなければ事態の本質に迫ることはできない。ゆえに、一見断片でしかない事実を丹念に追い、吟味、検証し、物事の実体を見極めることが不可欠となる。
この年を送るにあたって、あらためて本欄の筆を執る覚悟を記しておかなければと思う。
さて、本論である。